新型コロナウイルスの重点医療機関である沖縄県立中部病院で4月後半から5月にかけて大規模クラスターが発生しいた。
患者 36名
職員 15名
合計 51名
死者 17名
沖縄県では最大規模のクラスターである。
沖縄では現時点で191名の死者。
このクラスターの死者は全体の約9%。
それが、新型コロナの中核病院内で発生した。
それを、沖縄県も中部病院も公表をせず、こともあろうか、6月30日の県議会の一般質問で表沙汰になった。
そして、7月1日に中部病院が急遽、記者会見を開いた。
中部病院は、6月に記者会見を開く予定だったが、沖縄県側からの通達で会見を行わなかったと発表。
しかし、沖縄県側はそれを否定。
翌日のニュースでは様々な憶測が飛び交って、責任のなすりつけ合いなのではないかとの批判がでた。また、隠蔽だったのではないかとの報道も一部では出ていた。
この状態を鑑み、再度7月2日夕方に県側と病院側、双方で再度記者会見を行った。
結局は、沖縄県と病院側とのコミュニケーション不足によって5月に会見をせず発表できなかったとのこと結論を出した。
2回目の記者会では、
県病院事業局の我那覇仁局長、
県立中部病院玉城和光院長、
沖縄県病院事業総務課の中矢代真美氏、
など。
中部病院の医師で、新型コロナの専門家会議のメンバーの高山義浩医師も同席。
高山医師はもっとも広報的に表に出ていた方で、ある程度ニュースを見ている人であれば、多くの県民が知る人物である。
今回のクラスターの細い経緯などは、沖縄タイムスや琉球新報より様々な記事が出ているの、そちらをご覧いただきたい。
7月2日に行われた記者会見はネット配信で見ていた。
この会見自体は率直対応で何かを隠蔽しようとしている雰囲気は伝わってこなかった。
しかし、争点は玉城デニー知事や謝花喜一郎副知事へ情報が伝わっていた否かが問題だ。
我那覇仁局長は6月11日に記者会見を行うにあたって、前日に謝花副知事に文書を提出していた。そして口頭で伝えたかは曖昧記憶が曖昧な回答をしていた。
しかし、今日の報道では、会見終了後、我那覇仁局長と謝花副知事とで話し合いがあったようだ。謝花副知事に事実関係を確認していたと思われる。
そして夜になって、謝花副知事に提出していた文章は、中部病院の逼迫した院内事情などでメインで、補足的にクラスターに関する内容が含まれていたとのことで、死者数は明記していなかった。謝花副知事は、連日大量の報告書などが届く中、全てに目を通すことはできておらず、クラスターに関する内容は気づかなかった。とのこと。
さすがに、少し胡散臭さを感じるのは私だけだろうか?
実務を担当する副知事が知らなかったでは済まされないのではないだろうか。
忙しさを理由に知らなかったと言うのであれば、それも大きな問題である。
謝花副知事は翁長前知事から副知事の座を続けており、県庁内では絶大な立場にあると聞く。
以前、知り合いの県庁職員から副知事の職員に対する態度など、あまり良くない噂も耳にしたこともあり、個人的には謝花副知事は事情を知っていて、その矛先が自身に向かないよう2度目の会見を開き、幕引きを狙ったのではないかと、私は勝手に想像している。
会見の中で、高山義浩医師は、クラスターを公表する基準が明確でなかったこと、公表することで、病院職員への差別が出る等への配慮などを公表しなかった理由に挙げていたが、今日の発表だと、
5月8日午前時点
院内患者29名
職員12名
合計41名
死者4名
という数になっており、例えその時点で公表する基準がなかったのであれば、早急に県側に基準を作り何らかの形で公表すべきだったのではないかと思う。
また、職員への差別などが実際にある事例を挙げていたが、通常、〇〇保健所管内の施設で〇名のクラスターが発生したという情報は日常的に公表されている。
その公表すらされていないのはおかしい。
さらに、沖縄県側は正しい情報が保健所から入ってきていなかったとの趣旨の発言をしている。確かに、明確に沖縄県側に保健所から伝わるのは時間差などもあり、その都度その都度、正確な情報というのは難しいだろうと想像する。
しかし、中部病院では分かっているはず。
しかも専門家会議の高山医師がメンバーであれば、当然、県に伝わっていただろうと考える。
高山医師は新型コロナ発生の初期段階からSNSで様々な状況を伝えたり、時には厳しい意見も言っていた。
とても信用をしていたのだが、自身の所属する中部病院でクラスターが発生しているにも関わらず、県民に対して、このままでは医療が崩壊するなど県民に伝え、GW前には緊急自体宣言を出すべきだったなど、厳しい意見も多々発信されている。
にも関わらず、中部病院のコロナ対策に対して、何もしていなかったのか?
クラスターを公表する基準がなかったことを理由にして、その基準を儲けるようにすべきだと言っているなら、なぜそれを県側に早急に策定するように提案しなかったのか?
高山医師の会見での言葉聞いて、非常に疑問に感じる部分が多くあった。
そして、ここからが本題。
もし、これが中部病院でなく、民間病院であったり、飲食店であった場合、果たして県は公表しなかっただろうか?
多分、社会的に公表していただろうと思う。
たった数名のクラスターであっても、飲食店の場合、店側の了解をえて公表する場合もある。
それは、その飲食店に出入りした人を探す目的の為でもある。
さすがに医療機関とは言え、そこに通院している人や業者など、多くの出入りがあるはずであり、公表は必須である。
その状況であるにも関わらず、なぜ沖縄県は公表しなかったのか?
会見の質疑応答で、玉城デニー知事や県三役にこのことは伝わっていたのか?伝えたのか?
との質疑があったが、三役はとても忙しい為に、文書等で明確に伝えた記憶はないとのこと。
んなワケあるか!
と思わず叫んでしまった。
県立中部病院のスタッフが知事が出席する専門家会議にいて、民間病院ならまだしも、県立病院で死者が17名も出ている状況で、知事や副知事が知らないなどあり得ない。
もし、知らなかったとしたら、その方がさらに異常である。
県立病院という立場であれば、上司は必然的に知事や副知事である。
予算や人事なども沖縄県側が握っているものと想像する。
明らかに、知事なり副知事による何らかの圧力があったのではないかと想像してしまう。
状況を理解していて公表しなかったにせよ、状況を知らなかったにせよ、どちらであっても知事や副知事の責任は重いと感じる。
17名もの死者を出していたのであれば、県側は病院側に強く改善を求めるべき内容でもある。
沖縄県は、今年1月にも37件のクラスターを公表しなかったという問題があった。
公表することでの問題も多々あることも理解はできるが、なぜこの問題の後に、公表する基準を設けなかったのか。
ゴールデンウィーク中に大きなクラスターが発生したいたにも関わらず、玉城デニー知事は、自宅でのんびりと読書をして家族とバーベキューをしていたのか。
さらに、今回のクラスターに関して、公表したかしてないのことろで地元マスコミが騒いでいるが、そもそも、新型コロナの受け入れの中核病院でこれだけのクラスターと17名もの死者を出していたにも関わらず、その責任問題を追求しないのか?
今後の発表の問題より、今後クラスターが発生しないようにすることの方が重要なのではないかと思う。
地元メディアの報道姿勢にも疑問を感じる。
今回の件で、もっとも腹立たしいのは、
先日沖縄県は、緊急事態宣言で、飲食店の営業を事実上自粛させている。
それに応じなかった、店名をペナルティーとして公表しているのだ。
しかも沖縄県ホームページのトップに。
(6月11日発出)新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条第3項の規定に基づく命令対象施設(PDF:647KB)
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kohokoryu/koho/documents/0611_tenpoitiran0701_1.pdf
(6月18日発出)新型インフルエンザ等対策特別措置法第45条第3項の規定に基づく命令対象施設(PDF:581KB)
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kohokoryu/koho/documents/0618_tenpoitiran0625.pdf
クラスターを出した訳でもなく死者を出した訳でもない飲食店に対して、見せしめのように一方的に店名を公開しておきながら、自身の管轄では、実態を公表しない異常な沖縄県。
今、飲食店などは無利子とはいえ、多くの借金状態になっている。
生きるか死ぬかという人も多い。
実際に知り合いの松山の店は、緊急事態宣言延長期間まで休業すれば、完全に倒産するということで営業を再開している。
彼らも生きるか死ぬかの瀬戸際である。
病院名を公表すれば、そのスタッフなどが差別されるなど様々な問題があるのも実態だろう。
しかし、民間は見せしめ公表し、身内は公表しない。
明らかに、民間をバカにしているのが沖縄県である。
玉城デニー知事、謝花喜一郎副知事の責任は非常に重い。
与野党問わず、このことに関しては、議会できっちと責任追求を行っていただきたいものだ。
Comment on “17人の死者。異常な状態の沖縄県。沖縄県立中部病院クラスター問題(加筆中)”
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