先日からお伝えしている、県立中部病院クラスターの公表を巡り、沖縄県のコロナ専門家会議メンバーで中部病院の高山義浩医師が専門家会議からの辞意を表明された。
高山医師が「公表基準が満たされていない」との指摘をしたことで公表が見送られたとなっている実態、また、ご自身が発するメッセージがそのまま伝わらないとのことで辞意を表明。
高山義浩医師は新型コロナ発生時から、沖縄県の専門家会議のメンバーで尽力されてきた方である。
また、様々な施設や環境でのコロナ感染拡大を阻止する為に、説明会や講師なども行い、ネット上でも高山医師のコロナに関するコメントが広く共有されたり、また、活動が地元メディアでも頻繁に取り上げられ、沖縄での専門家会議メンバーの中で最も広く知られた人物である。
高山義浩医師がクラスター発表に対して、慎重な態度のひとつには、医療現場でクラスターや感染者が出た場合、スタッフが世間から差別を受けるなどの実態が数多くあることも理由のひとつ。
しかし、高山医師ご自身は、公表自体に否定的ではなく、県としてクラスターが発生していることの公表や、中部病院のホームページなどで公表するなど6月に提言した。
それにも関わらず、高山医師の「公表基準が満たされていない」発言で公表が取りやめになった部分だけが一人歩きしたことに憤りを感じておられるようだ。
玉城デニー知事も7月4日の会見でそのように発言している。
高山義浩医師ご自身は、相当、県側の対応やマスコミ報道などにも憤りを感じておられるのではないかと思う。
彼はあくまで専門家会議のメンバーであり、何ら最終的な決定権がある訳ではない。
公表をするか否かは、最終的に県側であり、その責任は、玉城デニー知事や謝花副知事である。
なぜ、高山医師がこのような状況に追い込まれ、辞意をしなければいけないのか?
玉城デニー知事は、自らの非を認め、高山医師に責任がないことを会見なりで発言し名誉を回復する責任がある。
高山医師は初期からの専門家会議のメンバーでまた医師でもある。
今までのコロナ対策の流れや、県内の状況を深く把握されている方であろう。
もちろん、県が公表していない、公表できないような情報も知っている方だろう。
そのような方が現時点で専門家会議から離れることは、沖縄県の新型コロナ対策が異常な状態になっているのではないかと県民として不安だ。
新型コロナに関して、医療側と経済側とで意見が異なることもあり、どちらかが批判されることがあるのも実態だ。県民の中にも、医療を重視すべきと考える人と、経済を早く回すべきだと考える人もいる。
このことに関しては、世界中で答えが見つかっていない問題である。
このうような実情の中で、様々な意見を聞き、そして政治が判断、決断をする。
それがコロナ対策の基本である。
そして、大切なことは、様々な意見を出す方々が批判されるような立場にならないように配慮するのが非常に大切なことである。
今回の件を感覚的ではあるが例えると、政府の専門家会議のトップ、尾美会長が何らかの不満があり、突然、辞意を表明するに近いようなものである。(あくまで個人的感覚の例えだが)
国民は、尾美会長に様々な意見もあるとは思うが、それでも、何らかの不満を持って辞意するとなれば、総理を筆頭に政府は追求されるだろう。ワイドショーでも大きく扱われることになると想像する。
今回の高山医師の辞意表明は、沖縄県内でそれに近いことが起こっているということではないかと思う。
過去の内容と同じことを繰り返すが、
玉城デニー知事がGW中、自宅でバーベキューをし、まったり読書をしていた時には県立中部病院でクラスターが発生していた。そして数名の死者が出ている状況の中、緊急事態宣言下に急ぎでもない基地縮小を訴えるために上京。
そして、少なくとも6月の前半には、このクラスターを把握していたにも関わらず、公表もせず、6月末の県議会の質疑で表沙汰になり、大きな問題となって、ようやく7月4日、クラスター発生から2ヶ月以上も経ってから30分の記者会見を開いただけである。
この記者会見でも、公表の基準がなかったことを理由にしているが、今までもクラスターが発生すれば、施設名は出さずとも何らかの形で公表してきた。中部病院のクラスターだけ公表して来なかったのが、ただ基準がなかっただけでは済ませれない。
こんなことで幕引きして良いのだろうか?
高山医師ご自身にも責任がないわけではない。ご自身が中部病院の所属で専門家会議のメンバーであれば、基準がないのであれば基準を策定するまで強く要請すべきだっただろうと思う。17名もの死者を出した事実に対して、あまりにも県側に流されてしまっていたのではないかと感じる。
高山医師の辞意に対して、専門家会議では異論もなく受理される見通しとのこと。
異論がないということは、多くの専門家が高山医師の意向を理解しているということではないかと思う。
会議のメンバー全体が今の沖縄県、玉城デニー知事のコロナ対策に対して不満を持っているのではないかとも、勝手に想像する。
もしくは、専門家会議全体が県側の立場で、高山医師の切り捨てで幕引きを狙っている。
このどちらかだろう。
私のような素人が勝手に色々想像してしてしまということ事態、沖縄県があまりに不透明で不誠実な対応をしていることだろうとも思う。
重要なメンバーが辞意を表明するというのは、何らかの大きな問題があり、異常事態になっているとみて間違いないだろう。
このような状況で、これから観光シーズンに入る中コロナ対策を進めて良いのか?
玉城デニー知事のコロナ対策は、無策だと政府や県内外から批判されることも多い。
先日も政府側とWeb会議を開き、観光客の出発地でのPCR検査の徹底などを話していたようだが、どう考えても政府が法律でも作らない限り不可能なことである。無策としか言いようがない。
単純に本土の人が沖縄に緊急事態宣言が出ていることすら理解していない人も多い。本土で沖縄県のTVCMでも打った方がよほど効果的だろうと思う。
玉城デニー知事には30分の会見で幕引きなど卑怯なことを考えず、問題に真正面から取り組み、責任を感じていただきたいものである。
琉球新報
高山医師が委員辞任へ 専門家会議で辞意表明 中部病院のクラスター公表遅れ巡り
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1350039.html
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