オリンピックと新型コロナ拡大で、大騒ぎの中、沖縄では、7月6日に辺野古サンゴ訴訟の沖縄県側の敗訴が確定したことで、玉城デニー知事は7月28日、サンゴの移植を条件付きで許可した。
条件としては、台風シーズンを避けての移植、状況を報告すること。
しかし、7月29日、防衛省は早速移植に着手したとの沖縄県側に伝え、県側は猛反発をしており、今後、防衛省に対して行政指導、そして認可の取り消しへと向かい、そして再度、裁判へと発展する可能性が高い。
政府、防衛省側の強行とも見える移植作業の開始は、辺野古工事の既成事実を積み重ねる狙いがあると報道されている。
辺野古サンゴ訴訟の詳細の過去記事
辺野古サンゴ訴訟敗訴へ
琉球新報(有料記事)沖縄県が辺野古サンゴ移植を許可 県が付けた条件とこれまでの経緯
琉球新報辺野古新基地、予定海域のサンゴ移植に着手 沖縄防衛局
さて、今回の県側の許可、そして防衛省による条件無視の作業開始に対して、玉城デニー知事を支持するオール沖縄はどのように感じているのだろうか?
玉城知事を事実上支持している、沖縄の新聞社の報道のように政府の強行姿勢に反発していると思われるが、しかし、客観視した場合、そもそも、サンゴ訴訟を行ったこと自体がミスだったのではないかと感じる。
確かに裁判を行うことで、工事を遅らせたり、全国へ基地問題のアピールというメリットはあるだろう。
しかし、そもそも普天間基地の県内移設を反対する立場で、実際の工事に対して裁判を行ったことで、工事を容認しているとの結果になっている。
条件を付けて許可をしたとしても、強行に移植作業を進めることは、県側も想定できたはずだ。
また、なぜ、沖縄防衛省に対して、直接対面して許可を出さなかったのか?
判決から許可を出すまで3週間もの時間があったにも関わらず、玉城デニー知事は何もしなかったのか?
玉城デニー知事が誕生し、今年の10月で丸3年となる。
一体、辺野古の工事を阻止するために何をしてきたのだろうか?
玉城デニー知事に対する政府の態度は非常に冷たいものとなっている。
沖縄振興予算に関して完全に蚊帳の外に出され、緊急事態宣言延長でも沖縄県の意向は完全に無視された。
玉城デニー知事は10年近く国会議員であった。
しかし、全く政府とのパイプもない状態。
さらに、自身を支持する立憲民主党、社民党は選挙時以外、オール沖縄を支援するような動きは見られない。これは玉城デニー知事からなんら発信されていないからなのではないかと思う。
そして、日本政府が辺野古の工事を強行している最大の理由は、玉城デニー知事が就任してすぐに行った県民投票にあると考えている。
県民投票の結果は、7割の反対で反対派が圧勝した結果であったが、しかし、投票率は知事選よりも低い50%。
これは、沖縄の有権者全体から見れば、明確に辺野古に反対しているのは県民の3割という分析もできる。
県民投票に関しては、翁長前知事は慎重に姿勢であった。これはこのような結果が出ることで、沖縄側が不利になると予測していたからだろう。
もし、投票率が7割以上で、反対も7割であれば、県民投票の結果に対して、政府も策を考える必要が出てきただろう。
翁長知事時代から県民投票を強く望んでいた一部の反対派が、玉城デニー知事を担いで、行ってしまった結果だろう。
もし私が辺野古反対派であれば、このような先のことを想像できずに政策を行う玉城デニーを支持することはしないだろう。
言葉は悪いが、無能。
基地反対派の主張自体に矛盾があることを次々と暴露している結果とも言えよう。
コロナ渦で基地反対運動の動きも鈍く、知事としてもコロナ対策で基地どころではないとは想像する。
しかし、このような問題が山積みになった時こそ、適切に判断し決断することができなければ、沖縄県民を守ることはできない。