辺野古サンゴ移植に関して、条件付きで許可を出した沖縄県。
しかし、条件を無視し移植作業を進めた防衛省に対して、沖縄県が許可を撤回した。
防衛省もこれを受け、作業を停止した。
許可をしてからわずか2日で撤回という異常な状態となった。
玉城デニー率いる県与党、オール沖縄勢力や地元沖縄の左派系新聞では、許可撤回を当然のこととして支持している。
今後、政府側が沖縄県を訴える見通しだ。
地元紙の論調では、県が提示した条件、
海水温の高い時期、台風の時期の移植は控えるよう、定期的な状況報告を義務付けるとの条件を課している。
これを無視した形で作業を始めたことで、条件を撤回。
県側の主張には一見、納得しそうなのだが、沖縄の偏った報道では、いまいち事実関係がわかりづらい。
それは、県が出した条件の詳細が書かれていないからだ。
海水温に関しては、一定の温度などが規定されいるように読み取れる。それは、防衛省が海水温を測って、基準を満たしていることを確認し移設作業に入っているという。
しかし、県が提示した条件の中に明確に海水温の記載などがあるのか?ただ何かの環境基準だけを示しているのかは不明である。
また、台風の時期とはいつからいつまでなのか?
台風は早ければ4月から12月頃まで台風の影響を受ける沖縄。
台風シーズンのことを言っているのか?
台風が接近している時期のことを言っているか?
この台風に関しても、どの程度の影響を言っているか?
非常に不明瞭である。
防衛局側は、
「条件を満たしているので移植作業を中止しない」
「県側が出した条件が法令上の根拠に基づいておらず、水温を含め作業当日の現地の状況を確認の上実施しているので、違反の認識なない」
とのこと。
これに対して、玉城デニー知事は、
「われわれの認識と隔たりがある」
とのこと。
ここで、問題なのが、知事が「認識」と言う言葉を使っていることだ。
これは、県が出した条件に法的根拠がないことを示しているとも受け取れ、今後裁判となった場合、裁判所が法的根拠を重視するのか、一般論としての条件を重視するのかによって、結果は左右されるだろう。
しかし、沖縄県が辺野古埋立の認可をしているにも関わらず、県側が工事をさせない意図があるという、いわゆる嫌がらせとして、裁判所が判断した場合、今後、沖縄県の立場は非常に悪くなるのではないかと思う。
さらに、このような裁判は辺野古の工事に対して行っているが、もし過去に希少サンゴあることが分かっていながら、工事を許可していたような事例があった場合、沖縄県としては立場が悪い。
防衛省は、今後裁判になってもなんらか勝てる公算があっての作業開始なのか、沖縄のマスコミの論調のように、ただ工事の既成事実を積み重ねることを目的に開始したのか、報道ベースでは不明である。
ただ、沖縄のマスコミ報道のように、単純に条件を無視して移植作業を始めた防衛局が一方的に悪いと言う論調のように単純なものではないだろう。
8月には辺野古で軟弱地盤が見つかったことによる設計変更の承認を沖縄県は不承認にする予定である。
これに対しても、防衛省側は県に対して裁判を起こすだろうと見られ、辺野古の工事はさらに混沌とした状態に入るのではないかと思われる。
沖縄のマスコミ報道だけを見ていると、一方的な報道であり、また都合の悪い内容は報道されていないことも多く、実態や事実が非常にわかりにくい。
今回のように、何か問題があった際、県側の主張が正しい姿勢で報道するが、裁判ではことごとく沖縄県側が敗訴している。
県側の主張をバックアップする報道は自由だが、しかし、認可した内容や条件などを入手して報道してもらいたいものである。