先週の少し古いネタになるが、沖縄県議会での公約達成に関する質疑に関して、琉球新報が報じた。
玉城デニー知事「公約291件」どのくらい達成した? 就任3年の一覧
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1395991.html
公約291件のうち、達成したのは5件。
全体の1.7%。
県知事選挙もまだ先の時期に、玉城デニー知事を支持している立場の琉球新報が、二面のトップにこのような記事を出したことにびっくりである。
左派側から玉城デニー下ろしが始まっているのではないかと想像してしまったのは、私だけではないのではないかと思う。
この達成率だが、公約を完了しているのは、
●那覇空港第二滑走路早期整備
●カジノ誘致反対
●世界遺産登録
●「琉球歴史文化の日」制定
●就学前教育の充実
正直、上の三つに関しては、知事の実績でもなんでもないのは明白である。
「琉球歴史文化の日」制定に関しては、11月1日に制定して、サイトまで立ち上げて、何かをやってるようだが、沖縄県民のほとんどが知らないだろう。また、今後継続できて行くかは疑問である。
就学前教育の充実に関しても、ほとんど情報がない。
就学前教育に関しては、決して玉城デニー知事が作ったものでもなく、小学校に上がる前の教育に関することで、こんなものは大昔から存在しているので、これに関する条例を追加や変更しただけのものだろう。小さな子供を持ってる方に聞いても、何かが変わったなど聞いたこともない。
正直、ほとんど実績がないと言っても良い。
着手(調査、検討、要請も含む)したものとして
●世界ウチナーンチュネットワークの有効活用
●フィリピン、テニアン、サイパンとの人事交流や姉妹都市締結
●消防防災ヘリの導入
●公立夜間中学の設置
●地域連携を強化した県立高校の存続
●住民合意がない自衛隊配備は認めない
防災ヘリや学校に関しては、必要であれば早急に進めるべきだろうと思うが、他は、直接県民生活に関わるものでもない。
自衛隊に対しては、明らかに、宮古、石垣の革新層への配慮だろう。
しかも、住民の一定の合意を得て、宮古では配備され、石垣もすでに工事が始まっている。
一体、なんの公約なのだろうか。
新型コロナという大きな災害に匹敵する問題があり、どこの知事も公約どころではないだろうと思われ、既存の業務をこなすだけで手一杯だろうと想像する。
さらに、辺野古移設反対に関する業務でも時間が割かれているだろう。
翁長知事時代でもご自身が辺野古に5割の時間が取られたと自己評価していた。
しかし、辺野古やコロナがあったとしても、基本的な県民生活に関わる諸問題には取り組んでいただく必要がある。
翁長知事時代から沖縄県政はほとんど止まっていると言っても過言ではないだろう。
特に沖縄の少年犯罪はトータル的には減少傾向にあるものの、全国と比べると高い傾向にある。
未成年の薬物や飲酒問題は深刻だ。
また、本島北部や離島の医療、ドクターヘリ、教育、経済政策など取り組むべき課題は山積みなのだが、ここ数年は大きくは回勢されていないように感じる。
せめて、何か一点に絞ってでも、改善するような方針を出すべきだっただろうと思われる。
多くの政治家に言えることだが、そもそも公約というものも、選挙時に聞こえの良いものだけを言って、本当に実現可能な公約を掲げる政治家は少ない。
玉城デニー知事も、選挙時に「学生のバス通学無料化」
最低賃金1000円
などを掲げていた。
バス通学無料化など、バスで通っていない学生にはなんの恩恵もなく不公平な政策であり、最低賃金など根本的に沖縄の経済が改善しなければ実現不可能である。賃金問題を掲げる前に、実現可能な経済政策を掲げるのが本筋である。
これから、国政選挙、来年には沖縄県知事選挙もある。聞こえの良い公約ばかりを掲げる政治家というのはあまり信用しない方が良いだろう。
特に、現金やクーポンを配布するバラマキ政策を掲げる政治家や政党には要注意だろうと思う。