10月31日投開票の参院選と同時に行われる、最高裁の裁判官国民投票。
SNSでは、夫婦別姓の憲法判断によって、夫婦別姓に対しての賛成派、反対派のそれぞれが、誰々に「×」をつけるべきだという投稿が一部で拡散されている。
最高裁判事の国民投票は、ほとんどの方が白紙で投票しているだろう。
興味があっても、判断がつきにくいのも実態である。
また、多少、興味があってネットの情報などを得ても、11人もの人物を覚えて投票場で判断して「×」をつけるのは難しい。
しかし、今、国際的に司法の歪みが指摘されて来ている。
裁判官の政治的姿勢や思想信条が裁判結果に反映されており、それが強くなってきていると思われる。
昨年の米大統領選挙では、選挙直前に最高裁判事の穴埋めで、トランプ大統領が保守系の判事をギリギリでねじ込んだり、また、バイデン大統領率いる民主党は、最高裁判事の数を大幅に増やし、民主党に有利な最高裁にしようと目論んでいる。
三権分立とはいえ、その仕組みを作るのは、政治家であり、政治によって形が作られる。
判事も人間であり、明確に白黒付けらない案件に関しては、個人的思想信条が影響することは避けられない。
しかし、先進国を中心に、マスコミが形成する世論に、裁判官の判断が左右される傾向が強くなってきている。
裁判所がポピュリズム化してきているということだ。
そういった意味で、最高裁の裁判官への関心は持っておくべきだろう。
とはいえ、国民の関心が高まれば高まるほど、ポピュリズム化は強くなる可能性もあり、単にマスコミ報道だけで判断せず、ちゃんとした目で国民は監視する必要があるだろう。
前置きが長くなったが、この裁判官国民投票、夫婦別姓が争点になっているが、それ以外にも政治的に、保革双方に関心のある過去の裁判があり、特にここ沖縄では、辺野古に関する最高裁の判断もあるので、それも踏まえて判断が必要である。
今回、国民の審査対象となっているのは下記の11名。
深山 卓也氏
林 道晴氏
岡村 和美氏
長嶺 安政氏
宇賀 克也氏
三浦 守氏
草野 耕一氏
岡 正晶氏
堺 徹氏
渡辺 恵理子氏
安浪 亮介氏
NHKが特設サイトを立ち上げている。
(主にこのサイトから引用)
最高裁判所裁判官国民審査
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kokuminshinsa/2021/index.html
過去の裁判で興味深いものとして、
普天間基地移設に伴う辺野古サンゴ移植訴訟
辺野古沖への移設工事をめぐり、沖縄県が国からサンゴの移植を許可するよう指示されたのは違法だと沖縄県が訴えた裁判。
結果:訴えを退け沖縄県の敗訴が確定
普天間基地移設めぐる裁判 大臣の裁決は違法か
裁判までの流れ
仲井真知事により辺野古埋立承認
↓
翁長知事により「承認撤回」
↓
国交相が「承認撤回」を『取り消し』
↓
国交相の『取り消し』は違法と訴えた裁判。
結果:訴えを退け沖縄県の敗訴が確定
那覇市公園内の「孔子廟」は憲法違反か?
那覇市の公園内にある、儒教要素が強い施設「孔子廟」を公園の使用料を全額免除し使用させているのは、政教分離を定めた憲法に違反すると市民団体の訴え。
結果:違憲と判断。
※翁長那覇市長(当時)の中国寄りの姿勢に対する保守派からの訴え。他、龍柱問題などもあった。
これ以外に保守派からの批判のあった問題として、
「表現の不自由展」施設の利用を認めるか
大阪での不自由展の施設利用を巡り、安全確保が難しいことで予約を取り消したことで裁判に。
結果:利用を認める。
上記の内容を一覧にしてみた。
上記の裁判に関係されていない方の判断は難しいが、沖縄県民としては夫婦別姓以外の辺野古等なども判断材料にするべきだろうと思う。
ちなみに、辞めさせたい裁判官に対して「×」をつけるものであり、間違っても「◯」を付けないよう注意してください。