辺野古の滑走路建設で、軟弱地盤が見つかったことによる設計変更に関して、沖縄県玉城デニー知事は、『不承認』とする方針だ。
沖縄のデニー知事、不承認きょう正式表明 辺野古の新基地 国は対抗措置の構え
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/868570
今後、政府側(防衛省)は、国交相へ不服申し立てを行い、工事再開の目処をたて、その後、沖縄県側は国交相を相手に裁判を起こす可能性が高い。
これは、翁長知事時代に、埋め立て承認を取り消した際と同じ構図。
裁判では、沖縄県側が敗訴しており、今回も同じ道をたどるだろうと思われる。
防衛省 2020年「軟弱地盤が見つかったから設計変更しますので許可してください。」
沖縄県 1年7ヶ月かけ審査。「認めない」
防衛省 「国交相さん!沖縄県が認めないのはおかしい!ちゃんと審査するようにして!」
沖縄県 「国交相に告げ口してんじゃねーよ!」「裁判してやる!」
沖縄県敗訴?
との流れになる見通し。
ところで、この件、
辺野古移設を反対する側からすれば、最後の大きな戦いになる見通しだ。
そもそも、埋め立て承認後に軟弱地盤が見つかったことが、反対派にとってはある意味でラッキーだったと言える。
反対する口実が増えたからだ。
また、問題点としては、軟弱地盤の工事が追加されたことで、辺野古の滑走路が完成し普天間基地が返還されるまでに、今後12年が必要と試算されているのも実態であり、その部分も反対派から突っ込まれる要因にもなっている。
普天間基地の返還が伸びることは問題もあるが、しかし、辺野古移設を決定し工事が始まるまで30年もの年月を費やした経緯を考えれば、辺野古移設を中止することなどありえない。
このことは、反対派も分かっていることであり、それでも反対し続けているということは、ある意味で普天間基地の固定化を狙い、沖縄県民の命を盾にして、政府批判の材料にしているようにしか私には見えない。
今回の不承認で裁判までいき、沖縄県が敗訴した場合、辺野古移設を事実上止めさせるような法的根拠を持ったものがなくなる見通しで、反対派や沖縄の左派系メディアは政府批判を強めるだろう。
逆に政府側としては、これを乗り切れば、大手を振って工事が進められるとあらゆる手段を使って、勝訴へと向かうだろう。
今後、沖縄でも大きな騒ぎとなることは間違いない。
今回のことで、沖縄県が政府に要求している3000億円の予算は通らず3000億円を大幅に切る可能性が高く、このことも年末にかけ、基地問題と予算を結びつけるな!との政府批判の材料になる。
また、来年秋にも予定されている沖縄県知事選挙にも、裁判の動向なども大きな影響がでるだろう。
現時点では、玉城デニー知事は2期目の出馬に関しては何ら発言がないが、オール沖縄勢力は玉城デニー知事の2期目の出馬は「既定路線である」との報道も出ている。しかし、裁判で県側が敗訴する方向が見えてきた場合、玉城デニー知事の立場は揺らいでくる可能性もあるだろう。
ちなみに、辺野古の埋め立て工事だが、軟弱地盤がある場所以外の工事が日々進められている。