米軍が2月8日から13日にかけて、那覇軍港で輸送を目的とした訓練を行う。
オスプレイなど大型のヘリを投入し250名が参加する。
この訓練に関して、防衛省や沖縄県、那覇市への事前通知はなく、マスコミへの発表のみであった。
マスコミから県への問い合わせで初めて沖縄県が知ったとのことで知事や市長はお怒りのご様子である。
沖縄県や那覇市は完全にナメられているとも見える。
防衛省には正式通達はないものの、那覇軍港のすぐ横には、大規模な自衛隊基地があり、また空港の管制とは事前の調整も行なっていたとのことで、事実上、政府も防衛省も把握していただろう。
そもそも米軍基地内での訓練であり、沖縄県や那覇市に通達する義務はない。
ただ、市街地に近いこともあり、突然訓練を始めると地元メディアが大騒ぎするので、マスコミには事前通達したということだろう。
那覇軍港の位置
また、この訓練に対して、玉城デニー知事や城間幹子那覇市長は抗議し防衛省を通じて中止を訴えた。もちろん、無視されて行われる。
米軍きょう那覇軍港で訓練 オスプレイや輸送艇 沖縄県と市の中止要請を拒否
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1467192.html
個人的な予想であるが、那覇軍港の向かいには、セルラースタジアムがあり、今月中頃から読売巨人軍のキャンプが行われる。
それと重ならないよう日程を調整したものとも思われる。
ところで、今回の訓練は、人道支援や一般人の避難を目的とした訓練である。
あからさまに、台湾や東シナ海有事に備えて行われる訓練だろう。
また昨年からは東シナ海において、米軍、自衛隊に加え世界各国との共同軍事訓練が行われている。
これだけ東シナ海は逼迫した状況だ。
そして今回の一般人の輸送を目的とした訓練まで行われるということは、民間人を巻き込む可能性のある戦闘が予測されているということだろう。
この実情を地元メディアが広く県民に伝えることはない。
もちろん新聞などでは、米軍の事故などがあった際には記事の中に訓練の状況は書かれているが、沖縄周辺でここまで緊張が高まっていることを沖縄県民は知らされていないのが実態だろう。
また、米軍が日本の領土の内で民間人の救出を想定した訓練まで行なっている状況の中、玉城デニー知事は沖縄県が万が一、戦闘に巻き込まれた際の準備は全く行なっていない。防衛省や政府に訴えることすらしていない。
即座に有事になるとは思いたくないが、中国や北朝鮮が訓練目的でミサイルを東シナ海に向けて発車する可能性は大いにある。Jアラートが警報を発する程度のことは今後起こりうるだろう。
南西諸島には多数の島がある。そこに被害がでるとも限らない。
その際に沖縄県はどうやって県民を守るのか?
また、戦争だけではなく、大きな災害が起こった際、沖縄県民をどうやって守るのか?
離島の物流や通信が途絶えた際にどうするのか。
玉城デニー知事はほとんどノータッチである。
玉城知事から県民を守る気概など全く感じられない。
今回の米軍の輸送訓練を期に、玉城デニー知事は、離島にいる沖縄県民の命をどう守るのかを、自衛隊や海保と米軍も含め検討に入っていただきたい。
今回の訓練で、もし米軍が日本人も対象に考えた上で訓練を行なっていた場合、訓練中止を訴えた玉城デニー知事と米軍、一体どちらが沖縄県民の命を大切に考えているのかが浮き彫りとなる。
また日本政府や防衛省も、台湾有事の際の台湾在住の邦人救出、八重山、宮古の住民の避難や救出方法などを積極的に検討を進め、訓練を行う必要があるだろう。
沖縄県も日本政府も現実問題として有事に備えた議論を行ってもらう必要がある。