今回の参院選、沖縄選挙区では、オール沖縄勢力で現職の伊波洋一氏が再選された。
事実上の一騎打ちであった、自民の古謝玄太氏との票差は2888票。
今年の沖縄は選挙イヤーであり、市町村選挙が数多く行われているが、すでに行われた主要な市長選ではオール沖縄勢力が全て敗北していたが、今回の参院選で伊波氏が当選したことで、地元メディアでは、オール沖縄勢力の求心力が復活したとの報道も出ている。
しかし、本当にオール沖縄勢力が力を盛り返しているのか。
実際の票数から見た場合、オール沖縄は完全に敗北しているのが実態である。
以下が、今回の選挙結果だ。
■オール沖縄
伊波 洋一 274,235(46.9%)
■自民
古謝 玄太 271,347(46.4%)
■参政
河野 禎史 22,585(3.9%)
■NHK
山本 圭 11,034(1.9%)
■幸福
金城 竜郎 5,644(1.0%)
この結果から何が見えてくるのか。
それは、参政党、NHK党、幸福実現党は、全て保守勢力であるということだ。
単純に、保革で票を見た場合、
革新 274,235
保守 310,610
36000票以上、保守票が多いという結果である。
また、前回の2016年の参院選で、伊波氏は35万票以上獲得しているが、今回は8万票も落としている。
これがオール沖縄の実態だろう。
2016年参院選結果
■オール沖縄
伊波 洋一 356,355 (57.8%)
■自民
島尻 安伊子 249,955(40.6%)
■幸福
金城 竜郎 9,937(1.6%)
沖縄県知事選の投開票は9月11日。
オール沖縄からは、玉城デニー知事、自民党系から、元宜野湾市長の佐喜真淳氏の出馬が予定されており、事実上、両氏の一騎打ちとなる見通しだ。
知事選においても、参政党や幸福などの保守勢力が立候補者を立てなければ、保守勢力が圧勝する可能性が高い。
また、今回の選挙でも、各局の出口調査などの報道を見る限り、オール沖縄を支持しているのは年配層であり、現役世代は古謝氏を支持。
国政選挙よりも投票率が高くなる県知事選挙では、さらに現役世代の投票率が上がると見込まれ、さらにオール沖縄勢力は厳しいのではないかと予測する。
とはいえ、玉城デニー知事の支持率が高いのが実態であり、無党派層は辺野古移設に関係なく、現状維持を求め、玉城デニー知事に投票する可能性もあり、読みづらい側面もある。
次の沖縄県知事選挙では、両陣営の戦い方、主張の内容によって左右されるだろう。
沖縄県知事選挙は、8月25日告示、9月11日投開票。