昨日、電力会社が来春からの値上げを経済産業大臣に認可申請を行った。
ここ沖縄では、すでに今年の春以降、1割から2割程度の値上がりがあり、さらに4割近くの値上げとなり見通しで、家庭だけではなく、商業ベースでも大きな負担となる見通しだ。
もちろん、現時点では、認可申請であり、実際は若干の値上げ幅が縮小されることも見込まれるが、数パーセントだろう。
沖縄電力のサイトでの試算では、
現在
従量電灯では、
8,847円 → 12,320 3,473円増 39.3%増
低圧電力では
22,738円 → 30,219円 7,481円増 32.9%増
高圧 500kW未満
510,000円 → 720,000円 21万円増 40,7%増
高圧 500kW以上
4,560,000 → 6,0500,000円 164万円増 42.6%増
自由料金契約でも、
40%〜50%の値上げを試算している。
詳細はこちら
https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/common/ryoukinkaitei/ryoukin_eikyou.pdf
今後、考えられることとして、
一般家庭の場合、なんとか節約をして耐えることはできるとは思われるが、低所得者層にとっては、非常に厳しい値上げになるだろう。
何より問題なのは、経済へ与える影響だ。
製造業などへの影響は大きいだろう。
沖縄では製造業の規模は小さいものの、食品加工などは沖縄県内でも多く製造されている。
来春以降、食品や飲料類の値上げは必至だろう。
冬場でも天気の良い日中では、冷房が入っていることのある沖縄。
飲食店やホテル、観光業などへの影響も計り知れない。
コロナで打撃を受け、ようやく元に戻りかけた状況となり、借入の返済も行われ始めるこの時期の値上げは商売をしている人にとっては厳しい状況となるだろう。
今回、電力会社がここまで大幅な値上げが行われた背景には、原料の高騰はもちろんだが、10月に政府が一定の補助を行うと発表したこともあるのではないかと思われる。
実際、政府からの補助で、年間一般家庭で2万円〜3万円程度の補助が見込まれおり、実際の家庭での負担増は4割ではなく、2割程度で抑えられる見通しだからだ。
そこで、電力会社は、4割という大幅な値上げを行った可能性もある。
もしくは、事前に、今回の値上げを見越して、電力会社と経産省との間で談合し、値上げができるように事前に政府が補助を出すことを決めていた可能性もあるだろう。
しかし、電力会社の政府に守られた立場で、べらぼうに高い社員の給与をそのままに、電気料金だけを上げる安易な経営方針は今後見直されていくべきだろうと思う。
また、沖縄では、仲井眞知事時代に原発を作る計画もあったのだが、東北の震災でほぼ議論されることはなくなった。
現在は従来型の原発ではなく、小規模で安全な原発技術もあり、また、政府は原発を推進する方向が見え隠れしており、世論も一時の反原発のムードから脱去しつつあり、沖縄にも原発の設置を議論すべき時がきているのではないかと思われる。
沖縄には火力発電所が中部にあるだけで、万が一、大きな災害が起こった際、沖縄の電力は完全に止まる。このリスク回避を考えた場合、効率的に電力を賄える原発は必要だろう。
来年以降、電力以外でも物価の高騰が予想されており、さらに電気価格の高騰で、拍車をかけ物品の値上げが続いていくだろう。
個人や企業努力だけでは追いつかない状況への陥るのは必至だ。
政府としても、早急に対策をすべきである。
実際、省庁の言いなりの岸田首相では、この困難を乗り越えることは難しいだろう。
もし、岸田政権が春まで持ったとしても、それ以降の政権維持は厳しいだろうと予測する。