このブログは動画でもご覧いただけます。
政府が閣議決定した安保3文書に伴い、敵基地攻撃能力に伴う、沖縄県内へのミサイル配備に対して、沖縄県は「反対」の立場の方針を固め、1月中に政府への要請を検討していると、琉球新報が7日のトップ記事として報道していた。
理由としては、国民的議論がされていないこと、沖縄が攻撃目標になる可能性があるということだ。
また、沖縄県と基地のある市町村で作っている、沖縄県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は、地元への丁寧な説明を求めていく方針とのこと。
(軍転協:沖縄県と27市町村で構成する、基地から派生する諸問題の解決のため、関係機関に要請を行っている協議会)
沖縄県(会長)、那覇市、宜野湾市、石垣市、浦添市、名護市、糸満市、沖縄市(副会長)、うるま市、宮古島市、南城市、国頭村、東村、本部町、恩納村、宜野座村(副会長)、金武町、伊江村、読谷村、嘉手納町、北谷町、北中城村、中城村、渡名喜村、北大東村、久米島町、八重瀬町、与那国町
このニュースだけが断片的に流れると、「また左派の玉城デニー知事が、反対している」と、保守側から批判も出るだろうと思われる。
私もそれに同調する部分もあるのだが、ここ沖縄にいると、単純に沖縄を批判するだけではない複雑な側面が感じられる。
それは、琉球新報の解説などにも書かれているのだが、県として反対の立場を取るのは、地元への説明がないままに、様々なことが進められていることへ釘を刺す狙いがあるということ。
国防に関わることなので、政府主導で行うことは理解できるが、あまりにも地元への説明がないもの事実だ。
ここ最近の自民党政権は、議会を通さず、あまりにも閣議決定だけでものごとを進めすぎているのは問題があるように感じている。
もちろん、その背景には、事前に説明をしても、沖縄県は『反対』しかしないという判断が政府にあるだろうと思われる。
重要なのは、沖縄県と政府との間に信頼関係が構築されていないという、玉城デニー県政にも問題があるのではないかとも感じる。
今後の沖縄の置かれる状況を考えた場合、政府から様々な情報を得ることができる、一定のパイプを持った方が知事になるのがベストだろうとも思う。
また、ここ沖縄にいると、昨年、米軍はF15を嘉手納基地から撤退させる方針を固めたことや、米国のシンクタンクでは、東シナ海の軍事力では中国が事実上上回っているとの見識が出ている。さらに、ウクライナの状況を見て、台湾有事や朝鮮半島有事の際、米軍が直接関与しない立場を取るのではないかという不安などがあるのも実態だ。
これは、私の憶測だが、政府が急激に自衛隊拡張に舵を切った背景には、秘密裏に米軍のアジアでの軍事縮小が通達され、自衛隊強化をせざるを得ない状況に政府が追い込まれているのではないかとも考える。
バイデンの言いなりで動いているような、現在の岸田首相を見ていると、何らか米国の言いなりで動いているのではないかと想像する。
関連したニュースとしては、
沖縄市にある自衛隊の訓練場の中に、弾薬や燃料の補給基地を設置する計画を、沖縄防衛局が桑江沖縄市長に伝達したとのこと。
これに対して、桑江市長は、反対の立場は取らず、住民説明会の実施を求めたとのこと。
昨年後半から、沖縄での自衛隊強化が進む中、その動きに反発する玉城デニー県政を批判する内容などをSNSで見かける。もちろん、それに同調する面もあるが、実際に沖縄にいると、非常に緊迫してきており、単純に左翼批判では済まされない状況になってきているのも実態だ。
仲井眞知事が辺野古埋立を容認し、沖縄の左派メディアが猛反発したり、翁長知事や玉城デニー知事を保守側が批判したりという、今までの、単純な保守と革新との批判合戦ではない、次のステージに突入しているように感じる。
「ネトウヨ」という言葉もあるが、過度にエスカレートした左派批判や保守擁護は実態を見失う可能性もある。
実態を見て、どうやって沖縄県民を守り、日本国民を守り、そしてこの国を守り維持していくのかの真剣な議論が必要だ。
政府や沖縄県政に対しても慎重で的確な判断を望むところだ。
沖縄県、ミサイル反対伝達へ 自衛隊増強 軍転協は説明要求
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1643246.html