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10年前の2013年1月28日、当時の翁長雄志那覇市長を中心に、県内41市町村の首長らが安倍首相に、オスプレイ配備撤回を求めた「建白書」を提出。また、その時には銀座で、デモを行いオスプレイ配備反対を訴えていた。
この提出から10年を迎え、当時と同じ通りで、基地反対のデモを行った。
また、沖縄の国際通りでも、同様のデモが行われた。
このことは、地元、琉球新報で大きく取り上げられ、2日に渡って、紙面の多くを割いて報道されている。
また、この報道に合わせ、当時の沖縄県がひとつにまとまり、その流れは「オール沖縄」へと繋がっていったが、現在は分断されている実態なども、識者や当時の関係者などのコメントと共に、分析した報道もされている。
これらの記事をまとめると、
当時はオスプレイ配備や辺野古埋立反対で、オール沖縄として沖縄県が保革の枠を超えて、ひとつにまとまっていた。
しかし、オール沖縄の経済界の一部が離脱したり、主要な市長がすべて保守系となり、今は県内が分断されていると指摘。
今後は、政府が進める、沖縄での軍事力強化に対して、改めて沖縄県が保革を超えてまとまる必要がある。
とのこと。
ただ、保守側から見ると、そもそも、当時の建白書やオール沖縄というもに無理があり、その延長で今があるのではないかと思う。
ある意味、今の方が正常だろうと思う。
建白書をまとめた当時の翁長雄志那覇市長はまだ、沖縄県の自民党有力者であり、そのことで、一部の保守系の首長もしぶしぶサインしていた側面もあったように感じる。
その後、保守系の一部の政治家や企業などが、オール沖縄勢力を支持するなどし、翁長知事誕生へと向かったが、オール沖縄を支持していた保守系など一部であり、決して、オール沖縄ではなかった。
企業などの一部では、翁長知事の誕生が見えてきたことで、勝ち組に乗っかろうとしていた側面もあった。
結局、オール沖縄の力が弱まった時点で、多くの企業がオール沖縄から去っていったのも事実だ。
今後は、政府が推める、沖縄の軍事力強化に沖縄がひとつになって反対してく必要があるとの意見が出ていたが、一定の軍事力を背景に外交が必要と考える保守層が、日本共産党などが訴える軍事力強化を頭から否定する動きに賛同するとは到底考えられない。
また、今回のデモのような「辺野古NO」と書かれたプラカードを持って、デモをしている左派の活動を見て、共に参加したい、参加する必要を感じないだろうし、このようなデモを見て、嫌悪感を覚える保守派もいるだろう。
オール沖縄が復活することもなく、そもそも、オール沖縄は幻想だったように感じる。
人それぞれに、様々な意見がある。それを、無理にひとつに纏まろうとすることで、分断が起きるのだ。
今後、政府は軍事力をさらに強化させていくだろう。
しかし、その片側では、外交も重要となる。
この現実を前にして、ただ、軍事力強化反対だけを訴えても、なんら発展的な議論にはならない。ただ対立するだけ。
必要なのは、意見を戦わせることだ。
実際に、玉城デニー知事は沖縄県として、独自の外交を計画している。
保守側から批判も出ているとは思うが、私は沖縄県として戦争を回避するために、外交努力をしようとする姿勢自体は批判しない。(中身に問題があれば批判するが。)
双方に相容れない側面も多々あるだろうと思うが、今は、戦争回避のために、政府ができること、沖縄県ができることを、それぞれ意見を出し合い、分担できることは分担し、共にできるこは共にする。
それが本来、まとまるということなのではないかと思う。
当時の建白書やオール沖縄のような、報道では一見、まとまったように見えていて、実態は分断を生み、結局、政府批判だけで何も生み出せていない。
それをまた繰り返すような論調に私は賛同できない。
さらに、今の玉城デニー知事がリベラルというだけで、単純批判している保守の言論人なども見受けられるが、今、沖縄の知事は玉城デニー知事であり、それを変えることはできない。その上で、知事に何を行ってもらうべきなのかを、保守側からも意見を出すべきだろうと思う。
沖縄はすでに有事に入っていると考えるべきで、
「保守」「革新」というだけで対立しているような場合ではない。
政治的スタンスがどうであれ、どうやって戦争回避ができるのかを、真剣に議論し、行動する政治家が必要だと感じている。
オール沖縄につながる建白書から10年 地元の民意、無視する形変わらず 辺野古断念の署名も呼びかけ
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1653725.html
「売国奴」「日本から出て行け」銀座の沿道から浴びせられる言葉 沖縄ヘイトの隣の無関心、今も 建白書10年
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1653639.html
「建白書、過去のものではない」沖縄の基地負担軽減求め国際通りデモ行進 建白書10年
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1654015.html