7月11日に行われた那覇市議会議員選挙。
自公が躍進し、市議会の与野党の構図が事実上逆転した。
野党である、自公などの保守系が19名。
与党である、左派やオール沖縄勢力が14名。
中立が7名。
市議会選挙であり、中立的な立場の方も多く、一概に保革という形で与野党を分けるのは難しい面がある。
しかし、もし今後、辺野古移設や基地問題に関すること、何らかの基地問題で那覇市として白黒をつけるようになった場合、城間知事や玉城デニー知事を支持する、いわゆるオール沖縄勢力にとっては厳しい状況になるのではないかと思う。
中立の7名の中で、
オール沖縄に賛同するのは2名程度。
反オール沖縄となりそうなのは4名。
不明なのが1名。
と見る。
ただ、案件によっては、公明党が態度を変える可能性があり、中立の市議も案件によってはどちらに動くは不明だ。
選挙前までは、単純にオール沖縄勢力で決議が出ていたものが、今後は厳しくなるだろう。
辺野古や普天間基地に関し、那覇市は直接関係ないが、これからの4年は那覇軍港の浦添移設が本格的に議論される。
すでに、日本共産党は移設に反対し、無条件返還としており、オール沖縄内で意見が別れているが今後議論が進むことで、さらに浮き彫りになって来るだろう。
保守系の中にも、わざわざ海を埋め立てて新規に軍港を作る必要があるのかと疑問を呈する人もいるのが実態だ。
今後、市制がどのようになるのかは、見守る必要がある。
それでも、今回の選挙結果は、玉城デニー県政、城間幹子市制にとっては厳しい結果だろう。
前回の市議会選挙戦では、「(前)翁長知事を支えるオール沖縄で」という文言だけで左派陣営は議席を確保できていた。
また、市長選挙でも、前回までは翁長市政を引き継ぎ、オール沖縄というだけで城間市長が誕生できた。
しかし、今回の選挙では、「玉城デニー知事を支えると」訴える候補者は少なく、市民の生活に関して訴える候補者が多く見受けられた。「オール沖縄」というスローガンもほとんど聞くことがなかった。
翁長知事が存命の時は翁長知事を支持しオール沖縄というだけで、市民も投票しやすい側面があったが、今回は玉城デニー知事を支持するオール沖縄陣営や今まで目が向かなかった城間市政への評価も出てのではないかと思う。
自民党の議席が大幅に伸びたのは、実際の市民生活や経済や雇用といった面の改善を求める市民の声が大きくなったということではないかと思う。
そもそも、すでにオール沖縄は保革の壁を超えた枠組みが崩れ、日本共産党を中心とする革新系の集まりとなってしまっているのも、玉城県政や城間市制の求心力を失わせているだろう。
玉城デニー知事に関しては、コロナ対策の問題だけではなく、辺野古に対して何の実績もなく、以前は流れに乗ってオール沖縄陣営に投票した人にとっては辺野古への興味が失せてしまっているのだろうと思われる。
城間幹子市長に対しても、評価は高くない。
そもそも、ほとんど面に出てくることはなく、市民にとっていったい何をしているのかも不明だ。
私のように多少政治に興味がある人間でも、彼女の姿を見るのは、LGBTがらみの時くらいだ。
4年以上やってパートナーシップ制度を作っただけ。恩恵を受けるのは、LGBTの人のみ。多くの市民にとって何らメリットがない。
城間市長は就任当初、肝いりで待機児童問題に手をつけたが、ミスマッチングで大失態を犯している。今は随分改善されてきているが、目標の待機児童ゼロは達成できていない。当初の失態のイメージがまだ残っているような状況だ。
那覇市の財政の改善もなく、税金も高く、物価も高い那覇市。
経済や市民の生活が改善されない中、LGBTの方への実績であれば、評価は厳しいだろう。
那覇市の経済問題は、翁長前市長時代からであり、もうマンネリ化している状態である。
誰が市長でも同じという雰囲気が漂っているのも実態だろう。
また、新型コロナで城間市長の名前を見聞きすることはない。
各市町村では様々な対策が行われており、各市町村長によってのメッセージがメディアに取り上げられ見聞きすることはあるが、城間市長がコロナ対策で市民にメッセージを出している姿をここ半年見たことがない。
県庁所在地の市長としてはあまりにも影が薄く。ただ、お飾り市長でしかない。
翁長前知事やオール沖縄に便乗しておけば票を集められた沖縄とは、大きく変わったということだろうと思う。
沖縄のことなので、次の国政選挙でも、与野党の票数は拮抗した状態で、どちらかが負けても比例で当選。
という構図になるものと思う。
この生ぬるい沖縄の空気をもっと変えて行かなければ、沖縄はいつまで経っても発展しないのではないかと危惧する。