今朝、沖縄では大きなニュースが飛び込んできた。
「金秀グループ(呉屋守将会長)が次期衆院選で、自民候補を支持する方針」。
金秀Gが自民候補支持へ 「オール沖縄」から転換 衆院選で経済重視
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1392489.html
事実上、「オール沖縄」は経済界の大きな柱を失ったことになる。
オール沖縄は、保革の垣根を超え、経済界も巻き込み、沖縄全体として、オスプレイ反対、辺野古断念を求めた「建白書」を実現することで、「オール沖縄」という概念が成立していた。
発足時、この金秀グループとかりゆしグループ(ホテル観光業大手)が名を連ねたことで、大きなインパクトがあったが、かりゆしグループは2018年4月にすでに脱退し二本柱の一本を失っていた。
さらに、金秀グループの呉屋会長は2020年9月に、玉城デニー知事後援会のの会長を辞任。
表向きは、本業に専念するのとことであったが、オール沖縄内部が日本共産党色が強く、保守系政治家のオール沖縄離れも原因で、金秀グループとしてオール沖縄への不信感があったのだろうと思われる。
さらに、今回のことで報道されたのは、金秀グループがオール沖縄に賛同していることで、基地関連建設の入札に圧力がかかっていたこともあったようだ。
翁長前知事の元、オール沖縄として結集したものの、2018年頃から、内部の左派勢力の政治的動きが強く、上記のかりゆしグループのように、一部企業が離反したり、保守、中道系の政治家が次々と離反していた。
また、今年7月に行われた那覇市議選で、オール沖縄を前面に打ち出していた日本共産党の候補者2名が落選。市議会の与野党も逆転し、オール沖縄の顔の一人である、城間幹子那覇市長への不満が多く上がっており、城間市長の求心力低下も問題視されていた。
金秀グループとして、次の衆院選に向け、これ以上、オール沖縄を支援することは、企業としてマイナスでしかないとの結論に至ったのではないか。
事実上、オール沖縄を支援することは、日本共産党などの特定の政党を支持する形となることを避けたとも見える。
オール沖縄には、現在、どの程度の企業が賛同しているのかは不明だが、当初は中小企業のかなりの数の名前が並んでいたが、かりゆしグループと金秀グループの離反によって、その関連企業や下請けなど、多くの企業名が消えることになるだろう。
また、オール沖縄には、もう一社、オキハム(沖縄ハム総合食品株式会社)が賛同している。しかし、オキハムは企業を挙げてといういうよりも、オキハム独自の辺野古反対の動きが多く、オール沖縄の中枢で表立っての運動はしていない。県内大手企業2社が離反したことで、オキハムがどのような方向性を出すのかは見守っておきたいところだ。
今回の金秀グループの離反で「オール沖縄」のイメージは大きく変わったが、沖縄では、上記のように2018年頃から、企業や保守系色が薄くなり、すでに実態として、日本共産党、社民、沖縄社大などの極左政党が中核のグループのイメージとなっていた。
実際、7月の那覇市長選などの県内の選挙で「オール沖縄」を掲げて選挙運動を行なっていたのは、日本共産党の候補者などごく一部となっていたのも実態である。
さらに、今回、金秀グループが離反するにあたって、呉屋会長と玉城デニー知事は面会もしていないようであり、金秀グループの一方的な離反宣言であったと見える。
本来であれば、県内大手企業としては今後のことを考え、県知事となんらかの話し合いを設けておくことは重要であるが、一方的な離反ということは、玉城デニー知事に対して見切ったという見方もできる。
玉城デニー知事を支援するメリットがなかったということでもある。
今回の動きは、来月にも行われる衆院選へも大きな影響が出ると思われるが、それ以上に来年に予定されている知事選への影響は大きいだろう。
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