来年2022年に行われる沖縄県知事選挙に、沖縄県保険医療部長などを務めた砂川靖(すながわ やすし)氏が立候補する意向を固めた。
現玉城デニー知事に批判的な立場で立候補すると表明。
普天間基地の辺野古移設には容認の立場。
主に沖縄県の振興に重点を置いた政策を訴えている。
沖縄県知事選 砂川靖氏が出馬へ 元県保健医療部長
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1395528.html
現時点で砂川靖の政治的なバックグラウンドは報道されておらず、また、現玉城デニー知事の再出馬や与野党共に次期県知事選挙の候補者の名前も上がっていない状況であり、県知事選挙がどのような構図になるのかは全く不透明である。
砂川靖(すながわ やすし)
1960年生まれ(61歳)
那覇市出身
那覇高校卒業
琉球大学卒業
1984年県庁入庁
人事課長や総務統括監、保健医療部長などを歴任
2021年3月退職
ご本人のFacebookに基本姿勢を書かれていたので、転用しておきます。
2021年9月20日Facebookより
私は、来年の沖縄県知事選挙に出馬します。
そこで、これから何回かに分けて、出馬理由、基本姿勢、基本政策などについてお話しさせていただきたいと思います。初回である今回は、まず、出馬理由についてお話しします。
私が知事選に出馬する決意をしたのは、県政交代の必要性はさることながら、それとは別に転換期に入りつつある沖縄において、次の2点を実行しなければならないと考えたからであります。
1点目は、沖縄が今後とも発展していくためには、引き続き、そのための振興策を展開していく必要があります。そのためには、当然、財源が必要となってきますが、転換期に入りつつある沖縄では、これまでと同様な方法でそれを獲得していくことは困難であり、これまでとは異なる新しい考え方でそれを実現しなければならないと考えたからであります。
2点目は、復帰後50年を経た沖縄には未だ解決されていない課題や新たに発生した課題が数多くありますが、これらの課題の解決を使命とするこれからの知事には、今までにはない新たな能力が求められていると考えたからであります。
以下、順を追って私の考えを述べたいと思います。
1 新しい考え方
沖縄県は、復帰以降これまでの50年間、沖縄戦や米国の施政権下にあったという「歴史的事情」、本土から遠隔にある離島県であるという「地理的事情」、我が国でも希な亜熱帯海洋性気候にあるという「自然的事情」、米軍専用施設・区域が集中しているという「社会的事情」を背景として振興のための特別措置が講じられてきましたが、その特別措置も本年度で終了することになります。
そこで沖縄県は、これら4つの特殊事情に加え、沖振法の目的である「本県の自立的発展と豊かな住民生活の実現」が十分とはいえないこと、また、本県が東アジアの重要拠点として我が国の経済成長にも貢献することなどを根拠に、国の重要施策としての沖縄振興策の推進と国の継続的支援を訴えているところであります。
「単純延長は認められない。」、「国民の共感と理解が必要である。」などの消極的な意見もありましたが、政府や主要政党は前向きですので、おそらく沖振法は延長され、国の支援、特別措置も継続されることになるでしょう。
私はこの動きを否定するものではありませんし、新たな振興計画が策定されたならば責任をもって実行しなければならないと考えています。しかし、問題はその後にあります。つまり、新たな振興計画が終了した後その先はどうするのか、ということであります。我々は、新たな振興計画を遂行しながら次のステージの準備をしなければなりません。当然、県として何らかの計画を策定することになると思いますが、それが今のような沖縄県だけを特別に取り扱う国の支援を前提とした計画とするのか、また、それが可能なのかも含めて検討しておく必要があります。
次のステージも、今回のように新たな特殊事情、意義などを持ち出して沖振法を延長し、沖縄だけの特別措置を制度化する、国の支援を受けて振興策を実施するという考え方もあるかもしれません。しかし本当にそれでいいのでしょうか。確かに、沖縄だけに適用される特別措置はありがたいものです。しかしながら、我々沖縄県民はあまりにもそれに慣れて過ぎてはいないでしょうか。復帰後の世代が社会の中心となる中で、それに頼り過ぎてしまうことは、沖縄県民としての気概や誇りを失ってしまうことにはならないのでしょうか。
沖縄を発展させていくためには、県や市町村は振興のための施策を実施しなければなりません。そして、そのためには当然、財源が必要となります。しかし、復帰から50年(新たな振興計画が終了する頃にはおそおらく復帰から60年)を経た時、いつまでも沖縄県だけが他の都道府県にはない特別措置を享受できると考えるのは危険ではないでしょうか。現在策定中の新たな振興計画が特別措置、国の支援を前提とした最後の計画になることも想定し、それを見据えた準備、沖振法がなくなり全国一律の制度の中に放り出されたとしても、県や市町村が今以上の予算規模で行政を運営していける仕組を作り上げていく必要があります。
私は、それを沖縄的な特殊事情が反映された全国一律の制度(例えば他県の離島住民にも適用される交通コストや生活コストを低減するための制度)を作り上げていくという方法で解決すべきであると考えています。そのためには、都道府県が連携して国に対して制度要望を行う場合、また、その内容を検討、調整する場において、沖縄県の考え方を反映させることが肝要であり、課題の設定やその解決策の立案段階において沖縄県がリーダーシップを発揮していかねばならないと考えます。
2 これからの知事に求められる能力
これからの沖縄は、年齢、性別、障害、出自あるいは経済的地位その他の状況に関わりなくすべての県民が、やりがいのある仕事に就き、十分な収入を得て、経済的に豊になり、安全・安心に、生活に潤いを感じながら、確かな幸せを実感して暮らしていける、そういう社会を築いていかねばなりません。
また、若者が、学業、芸術、芸能そしてスポーツなど、いろいろな分野で、頂点を目指してチャレンジしていける、そういう夢と希望の持てる社会も必要です。そのためにも、例えチャレンジに失敗したとしても島に帰ればちゃんとした仕事に就けて十分な収入を得ることができる、そういう社会を築く必要があります。
さらに、障害や引きこもりなど何らかの事情を抱えた子を持つ親が何の心配もせずに済む、親がいなくなっても子どもがちゃんと生きていける社会、そういう優しさ、温もりのある社会を築いていかねばなりません。
沖縄県知事には、そのような社会を築くため、産業、雇用、医療、保健、衛生、福祉、環境、教育など様々な分野で、そこに内在する多くの課題について、解決のための道筋、方策を示す責務があります。さらに、沖縄県知事には、ほかの知事にはない米軍基地に起因する様々な問題の解決という重要な課題もあります。
これらの課題を解決していくためには、問題の本質を的確に把握した上で政策の是非・内容を見極める判断力、将来起こりうるあらゆる事象を想定し解決のためのシナリオを描く構想力、描いたシナリオに基づき柔軟かつ臨機応変に関係者と調整する交渉力、反対意見に耳を傾けながらもタイミングを見計らって果敢に結論を下す決断力、行政実務にも精通し県職員の力を目標に向かって収斂させていく統率力が必要であり、転換期に入りつつある沖縄県の知事には、このような能力が求められています。
私には、37年間、沖縄職員として職務を遂行していく中で、このような能力を磨き上げてきたという自負があります。私は、それを発揮して、転換期に入りつつある沖縄の進むべき道を新しい考え方でリードし、目標とする社会を築くための道筋を示すことで、沖縄県の発展ために貢献しなければならないと考え、知事選への出馬を決意しました。
以上が出馬理由です。拙文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。次回は、基本姿勢についてお話しさせていただきます。
2回目の今回は、県政運営の基本姿勢についてお話しします。
県民の負託を受けて知事に選任された場合、私は、次の7点の基本姿勢に則って県政運営を行います。
1 公平性・公正性の確保
まず1点目は、公平性・公正性の確保であります。
当然のことではありますが、県政のあらゆる場面において特定の人、企業、団体等だけが優遇されることがあってはなりません。
私が知事となったあかつきには、支援者、友人、親族であるか否か、あるいは考え方や思想・信条が同じであるか否かに関わりなく、すべての県民、企業、団体等を公平・公正に取り扱う、そのような姿勢で県政運営を行います。
2 現場の意見を尊重
2点目は、現場の意見を尊重するということであります。
問題の本質を把握することが出来なければ、それを解決するための効果的な政策を作ることは出来ません。現場の意見を無視した政策は机上の空論となり、全く効果のない、県民の期待を裏切る結果となってしまいます。
問題の本質を的確に把握するためには、現状や目標、あるべき姿、目標を実現するための施策の内容、その有用性や実現可能性を見極めることが重要であり、そのためには利害関係者や政策が対象とする団体、地域住民、いわゆる現場の意見を伺ったうえで判断する必要があります。
もちろん、県職員が施策の企画・立案を行う場合、これらの手続が踏襲されているものと思いますが、重要な政策や施策については、知事自らも現場の意見に耳を傾けることが重要であると考えます。
私は、現場の意見を聴取した上で、職員とともに政策や施策を検討し決定する、そのような姿勢で県政運営を行います。
3 職員との信頼関係
3点目は、職員との信頼関係を大切にするということであります。
職員は知事の職務命令に従う義務がありますが、職員は県民のために仕事をしているであって、知事を支えるために仕事をしているわけではありません。知事は県の最高責任者として最終的な判断を行う立場にありますが、それまでは職員に対して政策の方向性を明示し、それを実現するための施策を検討、提言させ、それを咀嚼した上で判断することが肝要であると考えます。
このような意思決定の過程が職員を信頼していることの証であり、また、知事も職員から信頼されることになると思います。私は、このような意思決定の過程を重視し、職員との信頼関係の上に立った県政運営を行います。
4 市町村長との連携の強化
4点目は、市町村長との連携を強化するということであります。
復帰50年目の節目を迎えた今、沖縄県はとても重要な時期にあります。超高齢社会、コロナ過、脱炭素社会をはじめとする社会、経済及び環境の変化などを踏まえ、これからの沖縄の発展、新たな課題への対応を考えた場合、従来にもまして、県と市町村、また、市町村同士が連携し、効率的・効果的な行政運営を行っていく必要があります。また、県民福祉の向上、沖縄振興のための政策や施策を立案し、実施し、評価し、改善していくためには、知事と市町村長との連携がより重要になってくると考えます。
そのためには知事と市町村長は、単に会議をしましたというような形式的な連携ではなく、より実質的で内容の濃い連携を模索する必要があります。私は、市町村長と協議をする場において、進行役に終始したり、冒頭の挨拶だけで退席する、というようなことはいたしません。最後まで、とことん付き合って議論し、お互いが理解し、納得できるような結論を導き出していく、そいう姿勢で臨みたいと考えています。
5 都道府県の中のリーダー
5点目は、沖縄県が都道府県の中においてリーダーとしての地位を確立することであります。
これは、前回の「出馬理由」のところで述べたことと重なる部分ではありますが、全国的な制度の中に沖縄県の考え方を反映させる、そのためには課題の設定やその解決策の立案段階において、沖縄県がリーダーシップを発揮することが必要となります。そのためには、今以上に都道府県間の連携を重視し、知事会など都道府県が連携、協議する場において、沖縄県が先導的、指導的な役割を担う必要があります。私は、常にそのことを念頭におきながら、県政運営を行いたいと考えています。
6 国との信頼関係の構築
6点目は、国との信頼関係の構築であります。
基地の整理縮小、事件・事故・環境問題など米軍基地に起因する問題は沖縄県だけで解決できる問題ではありません。外交、安全保障に関わる問題である以上、どうしても国の意思決定が必要となります。ことさら国と対立し、一方的に県の考え方だけを発信しても問題は解決しません。
問題を解決するためには、県と国はお互いが問題を解決するためのパートナーであるとの認識に立ち、相手の考え方にも理解を示した上で交渉することが肝要です。私は、県政運営に際してもこのような姿勢で臨みたいと考えています。
7 基地問題に対する姿勢
7点目は、基地の整理縮小、地位協定の見直し、環境問題、事件・事故など米軍基地問題に取組む姿勢であります。沖縄県知事ならば避けては通ることの出来ないこの問題について、私は理念先行ではなく、実質的かつ確実に県民の利益を確保する、そういう結果重視の姿勢で、この問題に取り組んでいきます。
また、自衛隊基地についても国と地元市町村の問題として傍観するのではなく、県も当事者であるとの認識に立ち、積極的に関与していきたいと考えています。
最後に、選挙の最大の争点となるであろう「普天間飛行場代替施設建設事業」についてであります。当該事業については、現状では建設反対が多数意見ではありますが、私は普天間基地の危険性除去、米軍基地の整理縮小に寄与するものとしてこれを容認したいと考えています。そのうえで、手続面における国との関係については法令に則って適切に対応する、そういう姿勢で臨みたいと考えています。
以上が私の基本姿勢であります。
拙文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。次回は、基本政策の概要・方向性についてお話しします。
9月24日時点で次の政策は発表されて今ない。
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