先日、「ん?」と思った内容がツイッターに上がった。
衆院選に自民党から沖縄1区で出馬予定の國場幸之助氏のツイッターに、喜納昌吉氏が。
どうやら、國場氏の選挙応援に来ていたようだ。
喜納昌吉氏と言えば、多くのミュージシャンがカバーしている「花〜すべての人の心に花を〜」の作者であり、また、「ハイサイおじさん」は志村けんさんのギャグのフレーズになっていたり、甲子園でも応援歌として使われ有名。沖縄を代表するミュージシャンである。
ミュージシャンの顔を持つ一方で、政治家の顔もある。
2004年には民主党から出馬し、当選。
その後、民主党が政権と取る時には沖縄県内で精力的に応援に入り各地で演説を行なっていた。
『戦争よりも祭りを!』『すべての武器を楽器に』などの独特なスローガンを掲げ、基地反対、辺野古反対のスタンスで政治活動をされてきた。
2014年の沖縄県知事選挙では、翁長知事が埋立承認を明確に取り消さなかったことで、自らが県知事選挙に出馬し落選。
このことで民主党から除籍処分となった。
その後、表立っての政治的な活動は目にしていなかった。
基本スタンスとして、基地反対、辺野古反対のイメージだったのだが、なぜかひょっこりと國場氏のツイッターに出てきたことで、SNS上では、ちょこっとザワついた。
喜納氏は独特な感性や感覚のある方のようなので、政治的スタンスも一般人の私には理解し難い面もあると思うのだが、さすがに國場氏を応援しているのは少し驚いた。
ただ、沖縄で基地反対や左翼系の平和運動やイベントには県内の様々なタレントなどが出席していることが多いが、意外と強く政治的なスタンスを持っている方は少なく、呼ばれればどこにでも出ているタレントさんも多い。
沖縄県内では基地反対派が一定数いるため、本人のスタンスは明確ではなくとも、ふわっとした「基地反対」の流れに乗っかってイベントに出席して芸能活動の一環として露出されている方も多いように感じる。
イベントが営業であればなおさら、基地問題に関係なく活動されているタレントが多いのも実態である。
また、反基地の立場を表明されている方でも、自衛隊の基地内イベントなどでゲストとして参加されている場合もある。
初代ネーネーズの古謝美佐子氏は辺野古反対を明確にして活動されている方であるが、以前、航空自衛隊の歌のゲストで呼ばれていた。
共産党系でない限り、玉城デニー知事や城間那覇市長などは、辺野古は反対の立場であるが、自衛隊にまでは反対している訳ではないので、
辺野古反対 = 左翼 = すべての軍備軍事に反対、という訳でもないのが実態である。
実際に、自衛隊で式典等があれば、玉城デニー知事や翁長前知事、城間那覇市長などは祝電などを必ず寄せている。
昔の基地反対のスタンスは、自衛隊も米軍もすべてひっくるめて基地反対派であったが、現在は、米軍のみ反対、辺野古移設のみ反対、自衛隊も米軍も反対とスタンスは様々である。
オール沖縄の分裂に見られるように、このスタンスの違いが、左派の政治団体や市民団体がひっついたり離れたりする要因である。
ただ、明確なのは、日本共産党系だけでは自衛隊反対の立場を明確にしているので分かりやすい。現在、石垣島で自衛隊誘致反対運動をしている中心は日本共産党やその流れを組む方々だろうと思われる。
沖縄で辺野古反対というだけで、「左翼」とひとくくりになる場合もあるが、その中身は様々である。
また、辺野古反対の声が大きく、地元メディアが辺野古反対スタンスであるため、辺野古反対の乗っかっているタレントなども多いのが実態だ。
喜納昌吉氏に関しては、なぜ國場氏支持となっているのかは不明だが、沖縄の基地問題に関する世論の実態というのはふわふわと流動的な側面もあることを理解して基地問題を見ていることも必要だろうと思う。