衆院選、沖縄1区が保守分裂が濃厚になってきた。
沖縄1区には、現役の國場幸之助氏と赤嶺政賢氏、そして下地幹郎氏が立候補を予定している。
下地氏はIR問題で維新の会から除名となっており、自民党への復党を模索していたい。
沖縄県内の大手ゼネコンを中心とし、保守合同の会も設立され、下地氏の復党を支援してきた。
しかし、自民党沖縄県連は最後まで復党を認めず、また、國場氏が自民党公認を受けたことで、下地氏復党の可能性はほぼ消えた。
下地氏は復党が認められなければ、無所属での出馬を明言しており、保守分裂での選挙となる見通しだ。
しかし、保守分裂の状態で選挙となれば、國場氏の当選もギリギリ。
また國場氏は2会連続で比例復活当選しており、自民党の規約で3回連続での比例復活当選は認められておらず、当選できない可能性もある。
下地氏にとっても、過去の得票数から当選できる見込みは薄い。また、無所属であり比例復活もなく、このままでは、保守共倒れの可能性もある。
もし、下地氏が復党していれば、國場氏か下地氏のどちらかを比例で出馬すれば、両人共に当選する可能性もある。
以前にも書いたように、沖縄1区は過去、下地氏の地盤であったが、自公との選挙協力方針に反対し、自ら無所属出馬したり、民主党の推薦を受けたり、自ら政治団体を作ったり、維新には入ったもののIR汚職で維新を除名されるなど、自民党県連からすれば到底、下地氏の復党は受け入れがたいだろう。
前回の第48回衆議院議員総選挙では、
国場氏 54,468票
下地氏 34,215票
赤嶺氏 60,605票
との得票数となっており、自民党県連としては、下地氏の票を一定数取れば國場氏当選の見込みもあり、そこに賭けているようにも感じられる。
また、前回の選挙では、翁長知事の元、オール沖縄勢力に勢いがあったが、今はトーンダウンし金秀グループなどのオール沖縄に賛同していた企業が保守回帰をしていることで、赤嶺氏の票が前回を下回る可能性も大きい。
自民党県連としては、下地氏が無所属で出馬しても、國場氏の当選の見込みが大きいと判断しているのではないかと思う。
自民党本部としても、菅総理の元で厳しい選挙となっていた場合、下地氏を復党させ、一人でも多くの議席を確保する方向で動いた可能性もあるが、政権が代わり、その必要性も薄れて、比例名簿も下地氏よりも優先すべき人材を列記すべきだろうと判断しているのではないか。
また、下地氏は復党にあたり、二階前幹事長へ接触をしていたが、新政権で二階氏が幹事長の座から外れたことも、下地氏の復党が一層厳しくなって要因だろう。
國場氏が自民党の推薦を受けたことで、下地氏の復党を支援してきた保守合同の会は、公示日を前に解散した。
保守合同の会は、國場氏側の國場組、下地氏側の宮古島系の大手ゼネコン大米建設の双方が中心であったようだが、今後は、それぞれがそれぞれの支援に回る可能性も高い。
このまま選挙に突入すれば、事実上、國場氏と赤嶺氏の一騎打ちとなり、下地氏の落選は確実だろう。
多くの自民党支持者にとって、下地氏は裏切り者というイメージが強い。
前回の選挙では、國場氏の保守票を削って投票では落選させたという恨みつらみ感があり、また、自民党時代には大臣の座まで与えてもらっておきながら、自公政権を裏切ったというイメージも強い。
その後も、政党を渡り歩き、IR汚職のイメージもまだ残っており、政治家としての信頼性に欠けている。
公示日は10月19日だ。
まだ1週間あり、何らかの動きが出る可能性もなくはないが、復党は厳しいだろう。