10月19日公示、31日投開票の衆院選。
事実上保守分裂になる見通しの沖縄1区。
保守分裂と大きく報道されているため、一見、日本共産党から出馬予定の赤嶺政賢氏が有利なのではないかと想像する人も多いだろう。
しかし、オール沖縄勢力が下火の中、保守分裂をしていても、國場氏が当選する可能性もある。
また、保守分裂になろうとも、自民党沖縄県連が下地氏を復党させない強気な理由も過去の得票数から読み取れる。
今回の選挙では、かなり激しい戦いになるだろうと思われるが、國場氏が当選する可能性も高いだろう。
下記が過去5回の衆院選の投票結果である。
第48回衆議院議員総選挙(2017)
國場氏(自民) 54,468票
下地氏(維新) 34,215票
赤嶺氏(共産) 60,605票★
下地氏(幸福) 2,594票
第47回衆議院議員総選挙(2014)
國場氏(自民) 53,241票
下地氏(維新) 34,328票
赤嶺氏(共産) 57,935票 ★
第46回衆議院議員総選挙(2012)
國場氏(自民) 65,233票 ★
下地氏(国新) 46,865票
赤嶺氏(共産) 27,856票
安田氏(維新) 11,514票
第45回衆議院議員総選挙(2009)
國場氏(自民) 63,017票
下地氏(国新) 77,152票 ★
外間氏(共産) 23,715票
平良氏(幸福) 1,958票
第44回衆議院議員総選挙(2005)
白保氏(公明) 67,540票
下地氏(無所属・民主推薦)72,384票 ★
赤嶺氏(共産) 23,123票
上原氏(無所属) 2,307票
2014年、2017年は赤嶺政賢氏6万票を獲得して当選をしているが、この時期は翁長知事率いる「オール沖縄」ブームの時期であり、一部の保守派の組織票や浮動票などが多く赤嶺氏に流れていた。
オール沖縄ができるまでは、日本共産党は2万票台である。
今回の選挙でも赤嶺氏はオール沖縄であり、また、立憲との共闘で革新系の票の大半は赤嶺氏に流れるだろう。
しかし、オール沖縄の保守系や経済界の多くが離脱したため、かなり票が落ちる可能性もある。
赤嶺氏が単純に5千票を減らすだけでも、國場氏がかなり有利な展開となるだろう。
一方、下地氏だが、過去に自民党でなくとも保守の立場で立候補した際には、國場氏よりも多くの票を得て当選している。
しかし、2009年の45回の時は、民主党が政権交代をした選挙で、自民党では票が取れない選挙でもあった。また國場氏が新人で出馬したこともあり、沖縄では圧倒的な知名度のある下地氏に票が集まった。
しかし、現在となれば、前回、前々回と同様に多くても4万票が頭打ちの数なのではないかと思われる。
細かいことだが、前回の選挙では幸福実現党からも下地玲子氏が出馬し2600票を獲得している。
今回は幸福から出馬予定はないとのこと。幸福実現党は保守系であり、若干であるが、この票が國場氏に流れる可能性も高い。
あと、それぞれのマイナス要因としては、
赤嶺氏、沖縄にも日本共産党という政党へのアレルギーを持つ人も多い。野党共闘といえオール沖縄の力が弱まっている中では「共産党」という政党アレルギーによるマイナスもあるだろう。
國場氏、ここ数年、傷害容疑や不倫など週刊誌沙汰になることが多々あり、そのイメージがまだ払拭されいない面もありイメージがよくない。(傷害容疑は不起訴。不倫は和解している。)
下地氏、秋元司氏のIR事業現金授与問題が出た直後に下地氏も現金授与があったことが判明。100万円の現金を授与しながら政治資金収支報告書に記載していないことを認め、日本維新の会へ離党届を提出。(維新は届けを受理せず辞職を勧告している)
結論として、沖縄1区の投票率が50%程度の約15万票のゆくへはざっくりだが、
国場氏 60,000票
赤嶺氏 50,000票
下地氏 40,000票
程度になるのではないかと予測する。
まだ、保守分裂が100%確定した訳でもなく、投開票日まで半月以上あり、思わぬことで情勢が大きく変化する可能性もある。また、左派を支持する地元メディアが何らかのキャンペーン報道を行うことで空気が変わる可能性もあるだろう。しかし、順調に行けば國場氏の当選が硬いのではないかと考えられる。