今回の衆院選で、小選挙区でオール沖縄勢力と自公の得票数が逆転。
来年秋に行われる予定の知事選でオール沖縄は逆風になるのか?
■小選挙区
【2017年】
自公 267,441票
オ沖 324,203票★
↓逆転
【2021年】
自公 294,378票★
オ沖 288,788票
■比例(沖縄県)
【2017年】
自公 249,562票★
オ沖 241,698票
【2021年】
自公 276,984票★
オ沖 275,342票
■小選挙区+比例の合算
【2017年】
自公 517,003票
オ沖 565,901票★
【2021年】
自公 571,362票★
オ沖 564,130票
自公が54000票上積み。
オール沖縄は1700票の減少。
前回の衆院選から比べると、全体的には、自公が票を伸ばしているのが実態である。
今回の衆院選は、沖縄では争点が新型コロナや経済対策なども強くなり、辺野古反対一点のオール沖縄勢力の主張はかなり薄らいだ。
また、金秀グループやかりゆしグループがオール沖縄を離脱したことで、オール沖縄は事実上、革新系の印象が強くなった。
小選挙区で、全国で唯一、日本共産党と社民党が小選挙区で議席を守ったが、実態としては、沖縄1区では、国場氏と下地氏の出馬により、保守票が割れ、日本共産党の赤嶺氏が当選。
2区でも、日本維新の会から山川氏が出馬したことで、保守票の一部が宮崎氏から流れ、社民党の新垣氏が当選となった。
もし、保守一本化していた場合、日本共産党と社民党は議席が守れていなかった可能性もある。
来年の沖縄県知事選挙
今回の選挙結果が来年の県知事選挙へどのように影響するのかという報道も出てきている。
オール沖縄勢力が比例も含め議席を落としたことで、辺野古移設推進の自公が有利になりつつあるように感じられる。
しかし、上記の数字をグラフにすれば、若干のブレであり、自公が決して優勢な訳ではない。
何より、オール沖縄vs自公ではなく、維新や国民、前回の希望の党といった、沖縄の基地問題から距離のある政党を加え「保守vs革新」という概念で見た場合、前回は保守が上回っていたが、今回は革新系が票を取り戻しているのが実態である。
沖縄の投票率は50%程度である。常に保革がそれぞれ、投票数の40%程度ずつの議席を確保し、これはほぼ動くことはない。
ここに、残り20%の無党派層や一部の中道票がどちらかに流れたり、新政党に流れる傾向にある。
今の状況では、維新が明確に自公を支持する立場を取らない限り、次の県知事選挙ではオール沖縄勢力が優勢だろう。
来年の沖縄県知事選挙には、お一人が出馬の意向を示しているが、自公やオール沖縄はまだ候補者をあげてはいない。
玉城デニー知事も進退を明らかにはしていない。
来年行われる参院選でオール沖縄を率いる玉城デニー知事の評価が下される可能性が高い。
新型コロナの感染状況や尖閣や台湾といった国防面で何らかの動きが出ていた場合、沖縄世論にも影響があるだろう。
まだ先を見通すには時期早々だろうと思うが、現状の情勢を考え、自民党は今から知事選に向け本格始動する必要があるだろう。