玉城デニー知事は、長年沖縄県政の重要ポストを勤め、翁長知事時代から副知事を務めてきた謝花喜一郎氏が3月末の任期満了で終了し、4月から池田竹州氏が副知事に就任する方針を固めたと発表された。
一般的に副知事が注目を浴びることは少ないのだが、謝花氏に関しては異なる。
今の沖縄県政の中では、事実上の県知事と言っても良い存在であったのが謝花氏である。
実質、この春から、ようやく玉城デニー氏が知事に就任すると言っても良いのではないかと思う。
ちなみに、琉球新報紙面では、一面の中に記事が出ているほど、県政には大きな動きである。
なぜかジャッキーがトップ記事なのだが(笑)
謝花(じゃはな)喜一郎氏は、仲井真知事時代に沖縄県企画部長を務め、翁長知事時代には、県知事公室長を経て副知事に就任。
翁長知事が死去した際には知事不在の空白期間に知事職務代理者を務めている。
翁長知事死去の際、謝花氏の県知事選出馬もとりだたされていた。
しかし、翁長知事が後任に玉城デニー知事を推す音声が残っており、玉城デニー知事が出馬、当選した。
謝花氏だが、長年県政の重要ポストを担い、仲井真知事時代から今も引き継がれる『21世紀ビジョン基本計画』の策定、翁長知事時代には、辺野古埋め立て阻止に向けての裁判から広報的な面まで様々な役割を果たしてきた。
県政に関しては素人であった玉城デニー知事就任時は、事実上、実務を担っていた。
かなりのやり手ではある一方、県庁内での評判はイマイチのようであった。
知り合いの県職員などからは、非常に高圧的であるとの感想を聞いたいこともある。
単なる、役所の実務のトップだけではなく、オール沖縄として基地問題に取組み、沖縄の政界には強い発言力があったのではないかと想像できる。
この謝花氏を交代させることは、玉城デニー知事もかなりの大きな決断だったのではないかと思われる。
早い時期に交代させたかったが、任期満了まで待っていたというのが本当のところだろう。
すでにSNS上では、次の県知事選挙に謝花氏が出馬するのではないかという噂も出てきている。
玉城デニー知事と謝花氏との関係がどのようになっているかは不明であるが、現在の『オール沖縄』勢力内では、先日行われた名護市長選、南城市長選でオール沖縄が大敗したことで、玉城デニー知事の求心力の低下を危惧する声も多く、これから石垣市長選、金武町長選、南風原町長選、沖縄市長選などでオール沖縄勢力の敗北が続くと、秋に行われる知事選で玉城デニー知事では勝てないとの声もさらに強くなるだろう。
現在、玉城デニー知事ご本人は二期目の出馬に対して明言は避けているが、出馬には意欲的であると報じられている。
しかし、求心力が低下すれば、オール沖縄として別候補の模索に入るだろう。現在、左派勢力として有力な候補がいないことも事実であり、今後、状況によっては、謝花氏の名前が県知事選候補して再び出てくることも予想される。
この謝花氏の交代は、沖縄県政においても大きな動きであり、今後の流れを注視していく必要があるだろう。
ちなみに、現在、玉城デニー県政では、謝花副知事以外に、照屋義実副知事もいる。