秋に予定されている、那覇市長選挙だが、現職の城間幹子氏が3期目を目指して出馬し、自公から対抗馬が出て、保革一騎打ちになるかと思われていたが、早々に波乱の兆しが見えてきた。
オール沖縄の顔でもあり、前参議院議員、過去には県知事選挙にも出馬していた糸数慶子氏の長女、糸数未希氏が那覇市長選挙へ出馬の意向を示しているとのことだ。
糸数未希氏がどのような立ち位置なのか。
母親の慶子氏はゴリゴリの左派で、沖縄の地元政党『沖縄社大党』の委員長、また参議院議員を3期、沖縄県議を3期務めていたオール沖縄の顔だ。
バスガイド出身で庶民派のイメージもあり沖縄では知名度の高い方である。
立ち位置として、母親の後任かと思いきや、報道によると、未希氏はオール沖縄とは距離を置いており、母親の慶子氏も娘の政治活動には距離を取っているようである。
糸数未希氏は、早稲田大卒後に沖縄電力勤務を経て、現在は「保育すけっとinナハ」や「NPO法人にじのはしファンド」の理事。二児の母。
これら以外に、主に子供に関係するNPO法人や財団法人の委員なども務められている。
ネットで検索したレベルであるが、2009年頃までは、辺野古反対などの声をあげておられたようであるが、最近は基地問題に関しての発信は行なっていないようである。
もし、オール沖縄に賛同されているのであれば、母親の活動にもある程度関わっていそうなものだが、母親の政治活動とは距離を取っている。
県内の様々財団法人や『那覇市協働によるまちづくり推進審議会』などの委員でもあり、子供の問題には積極的な城間那覇市長との関わりもありそうだが、政治的には距離と取っているようだ。
那覇市は子どもの貧困をはじめ、子供に関する様々な問題が多くあり、今の城間市政に疑問を持ち出馬の方向に動いているのではないかと想像する。
母親の慶子氏とは一線を引いているとはいえ、もし市長となれば子どもの問題や福祉に重点を置く立場であり、リベラル系であろうと思われる。
報道では、糸数未希氏の支援者の中には、市民活動や地域の『顔役』が名をつられており、また、政治スタンスは違えど、母親の糸数慶子氏の知名度を考えると、有力候補になることは間違いないだろう。
もしこのまま、糸数未希氏と城間市長が出馬した場合、左派系の票が割れる可能性も高い。
一見、保守には有利な展開のように思われるが、現時点で自公側から知名度の高い有力候補がいないのも実情であり、票が三分割される可能性も高く、決して単純に有利とはいえない。オール沖縄vs糸数未希という構図を作られてしまった場合、自公は蚊帳の外となる可能性もある。
オール沖縄勢力は今年に入って、名護市長選、南城市長選、石垣市長選と連敗中であり、県民の関心も辺野古から離れているのは実態だ。
2期務めている城間市長だが、自身が掲げた公約の9割に着手はしているものの、実現できているものは13%であり、城間市政として選挙戦で実績をアピールするには説得力が弱い。
『オール沖縄』は県内で浸透しているものの、辺野古とは程遠い那覇市民にとって関心は薄い。
さらに、城間市長が辺野古反対の立場で何か行ってきたのか。翁長前知事と一緒にアメリカに行ったくらいである。一体、何のための渡米だったのか今だ疑問である。
オール沖縄としての首長の頭数として存在しているだけのようにも見える。
城間市長がマスコミに取り上げられるのは、LGBTのパレードくらいだ。
このような中で、糸数未希氏が、子どもの問題や福祉に対して、具体的な政策を提言して出馬した場合、城間市長の脅威となることは間違いないだろう。
城間市長の任期は11月15日。
那覇市長選はその時期に行われる予定。
ちなみに、糸数美樹さんとは別人です。
糸数美樹さんはテレビやラジオで活躍されている沖縄のタレントさんです。
糸数未希氏の出馬浮上、城間市長の3選出馬に影響も オール沖縄票が割れる懸念 那覇市長選