今年に入ってから、沖縄の米軍基地や山口の岩国基地で、米軍の訓練が活発化している。
また、宮古島の『宮古海峡』を中国艦が2度に渡って通過し、哨戒機も往復するなど、中国軍の動きも活発化している。
沖縄では、2月前半に、今まで訓練では使用していなかった、那覇軍港で民間人の救出を目的とした大規模な訓練が行われいる。
2月21日に米軍もF35Aステルス戦闘機2機が、アラスカ空軍から飛来。
3月3日と4日には、嘉手納基地で、F15戦闘機が2夜連続で夜間訓練を行なっていたとのこと。夜間の訓練は極めて異例。
航空自衛隊では、3月2日には青森県の航空自衛隊三沢基地所属のF35が那覇空港に初飛来。
3月5日には嘉手納基地に、横田基地所属のオスプレイ4機、米国内所属の弾道ミサイル観測機RC135Sも飛来してきている。
2月前半に行われた那覇軍港での民間人救出訓練では、「米軍反対派に囲まれる中で救出」という訓練も行われていた。
「米軍反対派に囲まれる中で救出」という訓練をフェンスの外からリアル基地反対派が抗議を行なっている、滑稽な状況でもあった。
また、東村にある米軍北部訓練場のゲート前にある、ヘリパッド建設反対派のテントを米軍関係者が視察していたとのこと。
実際の有事の際、基地反対派や反米の人たちの動きが足かせになる可能性もあり、そういったことを想定した訓練や基地反対派の実態を調査している可能性もある。
今まで、基地反対派に対して、米軍が動きを見せることはほとんどなかったので違和感を感じる。
中国艦が宮古海峡を通過することは過去度々あったが、同時に米軍が今までになかった動きを見せているのが気になるところだ。
昨年から沖縄や東シナ海、南シナ海で、日米だけではなく、インドやオーストラリア、イギリス、オランダなどの艦船が合同訓練を何度か行なっていた。
これらは、中国への牽制が目的であろうと思われていたが、今の米軍の動きは、昨年からの流れとは少し違うように感じられる。
通常以外の訓練や初飛来する戦闘機など、明らかに昨年からの動きとは異なってきている。
米軍は中国の何らかの兆候を掴んでいるのではないかと想像する。
北京オリンピック終了後かパラリンピック終了後に、中国が軍事的に何らかなの動きをするのではないかとの予測をしていた専門家もいるが、ロシアのウクライナ侵攻で世界情勢は大きく変わったとの味方もある。
ウクライナのことで、中国が動き出すとの見方もあれば、逆に動かないとの見方もあり、素人には全く読めない。
このような中、中国では全人代が始まり、習主席は『国家の主権、安全と「発展の利益」を守るため、新たに「堅実かつ柔軟に軍事闘争を展開する」との方針を示し、『軍事闘争』を明言した。そして、軍国防費も7.1%増やすとのこと。日本円にして26兆4000億円となる。
沖縄の地元紙を見ていても、今までは、米兵の犯罪や米軍機の騒音などの批判記事ばかりで、ほとんど読み飛ばすことも多いのだが、同じ米軍批判記事でも、嘉手納基地所属以外の米軍機の飛来の情報が多くなっており、目を通してしまう記事が多くなっている。
地元紙やテレビニュースでも中国による台湾侵攻に関しての特集が増えてきている。
もちろん、「基地があるから狙われて危険だ」という論調や専門家の意見も流しているが、単純な米軍批判だけではなく、保守側の識者の意見も掲載し、『台湾侵攻』に特化した一歩踏み込んだ内容を報じている。
沖縄の保守派は地元紙など読んでいない人が多いと思うが、バイアスを無視して見れば、産経新聞以上に米軍の動きの情報は収集できるのも実態だ。
上記のような東村のゲート前の情報など、通常ならくだらない微々たる米軍の動きも批判の為に書いてくれているのでありがたい。
また、別角度からだが、少し気になるのが、岸防衛大臣が非常に疲れ切っているように見えることだ。
日本にとってウクライナ問題は外交問題の比重が大きく、ウクライナ問題だけで防衛大臣がここまで疲弊しているとは思えない。
平時であれば、休むなり診察を受けたなどの報道が出たり会見で質問が出るなどするが、体調に関して報道されないのは、中国との緊張が高まっている可能性を疑ってしまう。
個人的な肌感覚ではあるが、最近の米軍や自衛隊、中国軍の動き、そして報道を見ていて、中国の動きが一段進み、何らかの準備に入っているのではないかと想像する。
今後も小さな報道であっても注視して行く必要があるだろう。
下記に関連のニュースのリンクを貼っておきます。
2/7 琉球新報
米軍、那覇軍港でオスプレイなど使った人道支援訓練を実施 8日から13日
3/5 琉球新報
F15戦闘機が2夜連続で夜間訓練 金曜夜の訓練は「極めて異例」 嘉手納基地
3/3 OTV
国際情勢の狭間で 騒音激化する嘉手納基地
3/1 琉球新報
米州軍のF35が嘉手納基地に飛来 2機、空中給油機も
3/1 沖縄タイムス
那覇空港にF35A初飛来
3/1 中國新聞
米軍岩国基地、動き活発に ウクライナ侵攻、米中も争い先鋭化
3/3 沖縄タイムス
「米軍の傍若無人な基地運用に激しい怒り」外来機飛来で騒音や悪臭 沖縄・嘉手納町議会が抗議
2/28 琉球新報
嘉手納に米軍RC135Sコブラボール飛来 弾道ミサイル性能観測機
2/26 琉球新報
F35戦闘機が本格訓練 外来機相次ぐ嘉手納基地 ウクライナ情勢の影響か
2/13 琉球新報
米軍、那覇軍港でオスプレイなど使った人道支援訓練を実施 8日から13日
「米軍反対派に囲まれる中で救出」に関する記事
2/9 沖縄タイムス
2階からライフル銃を構える米兵 緊張感に包まれる周辺 県や市が中止を求める中、那覇軍港で訓練
2/9 琉球新報
銃武装ものものしく 抗議デモの警備想定か、那覇軍港、米軍訓練
中国の動き
3/5 産経新聞
尖閣周辺に中国公船 9日連続
3/4 産経新聞
宮古海峡、また中国軍艦が通過
3/1 産経新聞
宮古海峡を中国艦通過、哨戒機が周辺往復
2/25 産経新聞
中国公船が領海侵入 尖閣周辺、1月31日以来
3/5 産経新聞
中国、「軍事闘争」打ち出す 係争地域で圧力強化か 政府活動報告