沖縄県知事選挙の投票日を目前に控え、琉球新報や沖縄タイムスといった地元メディアは、ネット上の誤情報に対するファクトチェックに力を入れている。
琉球新報11日付の社会面では、「辺野古抗議船転覆事故に高校生が乗船していたことに沖縄県が関与している」という言説が拡散しているとして、これを検証する記事を掲載した。
記事:辺野古転覆事故 「生徒の乗船に沖縄県関与」は誤情報<2026知事選ファクトチェック>
https://ryukyushimpo.jp/national/entry-5507437.html
確かに、沖縄県が直接関与した事実はない。しかし、沖縄県が修学旅行の誘致を斡旋しており、その誘致のためのサイトには過激な反対運動を行う個人や団体の関与が確認されている。こうした経緯を踏まえれば、間接的な関与があると受け取られても仕方のない面があるのも事実だ。
一方、その隣に掲載された記事では、米軍基地による騒音や事件が住民生活に与える影響について、一般市民の声が紹介されている。その中で、石垣市の女性(72)は「国は平和教育を後退させ、辺野古工事を進めている」と国の姿勢を厳しく批判している。また記事は、名護市辺野古で起きた船舶転覆事故で女子生徒らが亡くなった後、沖縄の平和教育全体を問題視し「偏向教育」とみなす批判が強まっている、とも伝えている。
しかし、「国が平和教育を後退させている」という事実はない。また、「沖縄の平和教育全体」を問題視している人もいない。問題視されているのは、教育の内容が本来の趣旨から逸脱し「変質」している面があるという点であり、これは遺族を含め多くの人が指摘していることだ。
この女性の声も一般市民の意見であり、ネット上で語られている声もまた一般市民の意見である。両者は同じ土俵に立っているはずだ。
左派の立場からすれば、現政権が平和教育を縮小しようとしているように映り、間接的な圧力を感じているのかもしれない。しかし逆に、沖縄県のこれまでの修学旅行誘致の実態や、玉城デニー知事自身が辺野古反対運動の先頭に立ってきた経緯を踏まえれば、右派の側からは県の間接的な関与を疑う見方が出てくるのも当然だろう。
こうした双方向のバランス感覚が、琉球新報には欠けているように思えてならない。
参考記事:
辺野古止めたい/防衛力必要/平和教育もっと 騒音や事件 生活に影 基地・平和 ▽▽ 3 沖縄戦、記憶風化に危機感
https://ryukyushimpo.jp/national/entry-5507378.html
