沖縄県知事選挙をめぐり、大きな動きがあった。下地幹郎氏が出馬を取りやめると表明したのだ。
これにより、選挙戦は事実上、古謝玄太氏と玉城デニー氏の一騎打ちという構図に収れんすることになる。もっとも、もし両者が僅差の戦いとなれば、他の4名が獲得する数百、数千票の行方が最終的な結果を左右する可能性は依然として残る。一寸先は闇、というのが選挙の常だ。
なぜ下地氏は降りたのか
ここからは憶測の域を出ないが、今、考えられる背景をいくつか挙げてみたい。
まず、資金面の問題である。
過去の選挙では、下地氏には所属政党という後ろ盾があり、また親族が経営する企業からの資金調達という手段もあった。しかし今回は完全な無所属での挑戦であり、しかもその親族企業はすでに古謝氏支持を表明している。選挙戦を戦い抜くための資金調達は、相当に厳しい状況だったと見られる。
加えて、下地氏が運営する久米島と沖縄本島を結ぶ船会社は立ち上げたばかりで、事故なども発生している。政治資金にまで手が回るような経営状況ではなかったはずだ。かつての国政選挙や知事選で見せたような派手な選挙戦を、もはや展開できる体力が残っていなかったのではないか。
そしてもう一つ、決定的に気になるのが、出馬取りやめの「理由」として本人が語った内容である。
下地氏は、子どもの貧困対策予算や鉄軌道の着工「5年目途」、サミット誘致などの項目で自民党と合意し、政策協定を結んだことが撤退の理由だとしている。
この説明が意味するところは何か。
一つの見方として、自民党サイドから「降りるように」という圧力がかかった可能性は否定できない。もしそうだとすれば、下地氏は今後、自民党を後ろ盾として何らかの選挙に再び名乗りを上げる可能性も十分にある。国政選挙への挑戦か、あるいは地元・宮古島市長選への出馬という道もあり得るだろう。
下地氏は64歳。勝ち目の薄い今回の知事選で、単に名前を売るだけの結果に終わるよりも、自民党との「取引」によって確実な政界復帰の足がかりを得る――そうした計算が働いた可能性も、十分に考えられるのではないか。
明日の記者会見で何を語るのかも、注目すべきだろう。
参照記事 【速報】下地幹郎氏が沖縄県知事選挙立候補を取りやめ 自身のSNSで表明(TBS NEWS DIG) https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rbc/2895966?display=1
※本稿は現時点で判明している事実関係をもとにした個人的な考察・推測を含みます。
