2026年9月13日に投開票を控える沖縄県知事選挙。現職の玉城デニー氏(3選を目指す)と、自民党が全面支援する新人の古謝玄太氏(前那覇市副市長)の一騎打ちと目されていた中、元衆院議員の下地幹郎氏が出馬を正式に表明。
ネット上では、保守派から大バッシングの嵐となっている下地幹郎氏。
この「第三極」の参入によって、激戦が予想される知事選の行方はどうなるのでしょうか。本当に下地氏が保守票を食うのか?
2026年2月に実施された衆議院議員選挙の保革の得票データと前回の知事選の票差等を基に、今回の知事選に与える影響を多角的に分析しtえみました。
2026年衆院選のデータから見る「保革の票数」
知事選の勝敗を占う上で、まずは2026年2月に行われた衆議院議員選挙(沖縄1区〜4区、比例代表)における保革の得票数のバランスを振り返ってみましょう。
グラフ左が保守系、右が革新系。

保守層の対象政党:候補;自民、維新、国民、参政、日本保守、ゆうこく
革新層の対象政党:候補:立憲、中道、共産、社民、その他(元れいわ、元社民の候補者など)
(※「みらい」および2区の「比嘉氏」は保革の枠組みに分類しにくいため、今回の集計からは除外しています)
国政においては、高い支持を得ている「高市政権」の人気が保守層の強い追い風となり、12万〜13万票という大きな差をつけて保守側が優勢という結果に。国政のトレンドがそのまま知事選にスライドするわけではないが、自民・公明に加えて参政党も古謝氏の支援に回るなど、現在の「保守陣営」は強固な体制を整えつつあり、まさにオール沖縄は古謝氏陣営なのではないかとの意見も出ています。
現職・玉城デニー知事を取り巻く逆風と「革新分裂」の懸念
一方、3選を目指す玉城デニー知事擁する「オール沖縄」側は、厳しい局面に立たされている。
陣営内の分裂・足並みの乱れ
社民やれいわなどの間で内部の調整が難航しており、衆院選の2区や4区に見られたような「分裂状態」の余波が指摘されています。
不祥事や行政課題の露呈
辺野古での抗議船転覆事故や、ワシントンD.C.事務所の設置・運営をめぐる問題など、現職にとってプラスとは言えないニュースが重なっています。
山川仁氏の動向
元れいわ新選組の山川仁氏が政治資金パーティーを開催するなど活動を活発化させており、今後の彼の動向次第では、さらに革新側の票が分散して玉城陣営に厳しい展開となる可能性もあります。
下地幹郎氏の参戦は、どちらの票を「食う」のか?
下地幹郎氏の出馬に対し、ネット上の保守層からは「保守票が割れるのではないか」と厳しい批判の声が上がっている。しかし、過去の得票データを詳細に分析すると、実際の影響は異なる側面が見えてきます。
沖縄県全体
玉城デニー:339,767票(50.8%)
サキマ淳:274,844票(41.1%)
下地ミキオ:53,677票(8.0%)
宮古島市
玉城デニー:39.4%
サキマ淳:38.5%
下地ミキオ:22.0%

得票データから紐解く影響分析
宮古島市で下地氏が22.0%の票を獲得した際、自民推薦のサキマ氏の得票率は県全体(41.1%)からわずか2.6ポイントしか減っていません。一方で、玉城氏は県全体(50.8%)から11.4ポイントも得票率を落としています。
このことから、下地氏に投票した層は「イデオロギー(保革)」によるものではなく、「同郷(宮古)だから応援する」という無党派層や、もし下地氏がいなければメディアの流れで玉城氏に流れていた層が多く含まれていると考えられる。
今回の選挙における下地票の影響度
今回の知事選において、下地氏の最大の支持母体であった親族企業「大米建設」は古謝玄太氏の支持を明確に表明しています。後ろ盾を失った下地氏が前回並みの票(約5.3万票)を維持するのは極めて厳しい状況ですが、仮に票を獲得する場合でも、「古謝(保守)票」より「玉城(革新・無党派)票」を奪う割合の方が多い可能性もある。また、元自民・元維新でもある下地氏ですが、現在は双方の政党と疎遠になっているため、自民・維新のコアな支持層が下地氏に流れる可能性は極めて低いだろう。
まとめ:古謝氏優勢の予測も、最後まで目が離せない展開へ
現在の高市政権の支持率、保守側の結束力(自民・公明・参政の共闘)、そして革新側の分裂含みの情勢を考慮すると、現時点では古謝玄太氏が先行していると見て概ね間違いはないかと思われる。
しかし、国政選挙と地方の首長選挙は別物。特に沖縄県知事選は、特有の地域課題や有権者の感情が複雑に絡み合い、直前まで予測がつかないドラマが生まれることで知られている。
下地氏の「第三極」参入、そして今後ささやかれる革新側のキーマンたちの動向によって、9月の投開票日に向けてどのような変化が起きるのか。今後も一瞬たりとも目が離せない。