内閣府沖縄担当部局は8月31日、2027年度の沖縄関係予算の概算要求額を発表した。
要求額は2897億円で、2026年度当初予算と比べて250億円の増額。前年度の要求額と比較しても、2年連続で増額となった。
主な項目では、沖縄振興のための一括交付金が2026年度より47億円増の783億円。また、国から市町村などへ直接交付する特定事業推進費は5億円増の100億円が計上された。
さらに、高市政権が新設した「強く豊かな日本」投資枠も、6事業で活用されている。
今回の概算要求について、主な項目を一覧で見ていきたい。
2年連続の増額。しかし「3000億円超」には届かず
2027年度の概算要求は、前年より増額となった。
ただ、沖縄振興予算を長く見てきた人にとっては、別の数字も気になるところだ。
かつては、沖縄関係予算が「3000億円を超えるかどうか」が一つの目安となっていた。
しかし、玉城県政が始まって以降、沖縄関係予算は3000億円を下回る状況が続いている。
もちろん、予算額は沖縄県政との関係だけで決まるものではなく、国の財政状況や各年度の政策など、さまざまな要因がある。
それでも、政府と沖縄県政が対立する場面が多かったことを考えると、国と県の関係が予算にも影響しているのでは事実だろう。
古謝県政が誕生した場合、予算はどうなるのか
現在行われている沖縄県知事選挙で古謝氏が当選し、新たな県政が誕生した場合、国との関係が大きく変わる可能性がある。
政府との関係改善によって、沖縄関係予算のさらなる増額を期待する声が出てくるのも、当然だろう。予算の最終決定は年末だからだ。
ただし、そこには一つ大きな問題がある。
それが、今回の知事選への出馬を辞退した下地ミキオ氏の存在だ。
下地氏をめぐっては、自民党本部が沖縄県連との調整を十分に行わないまま、頭越しに東京で交渉を進めたことに対して、沖縄県連側から反発が出た。その結果、下地氏の支援を受け入れないという姿勢を示す県連関係者や議員も出ている。
一方、下地氏自身は明確に古謝氏への支援を打ち出している。
しかし、現時点では古謝陣営が下地氏の支援をどこまで受け入れるのか、現時点でその姿勢は必ずしも明確ではない。
「東京」と「沖縄」の自民党、その溝は埋まるのか
今回の問題を見ていると、単純に「古謝氏が当選すれば国から予算が増える」という話ではないように思う。
むしろ重要なのは、古謝氏を中心とする沖縄側と、自民党本部との関係をどう構築するのかという点でだ。
自民党本部としては、もし古謝氏が知事となった場合、予算を理由に沖縄県政に対して圧力を加えてくる可能性もある。
沖縄県連には、東京の自民党本部から頭越しに物事を進められることへの根強い不満がある。
今回の下地氏をめぐる問題も、そうした「東京と沖縄の温度差」を改めて浮き彫りにしたように感じる。
そして、この構図は決して今回だけの話ではない。
過去には、自民党沖縄県連の幹事長まで務めた翁長雄志氏が県連を離れ、その後「オール沖縄」を構成する流れにつながったとも言われている。
沖縄では、中央の政党本部と地元組織との関係が、県政そのものに大きな影響を与えてきた歴史がある。
沖縄にとって重要なのは「予算」だけではない
2027年度沖縄関係予算は、概算要求段階では2897億円。
2年連続の増額となったことは評価できる一方、かつて一つの目安とされた3000億円には届いていない。
今後、政府と沖縄県の関係がどう変化するのか。そして、知事選後に自民党本部、沖縄県連、古謝氏、下地氏の関係がどう整理されるのか。
こうした政治的な動きが、今後の沖縄振興予算にどのような影響を与えるのかは、注目しておきたい。
「東京」と「沖縄」の間にある溝をどう埋めるのか。
それは今回の知事選後の沖縄県政にとって、大きな課題の一つになるのではないだろうか。
追記
玉城デニー知事は、増額したこで一定の評価をしたものの、今後の予算編成で3000億円を確保していただくよう、切に要望する。との旨のコメントを出している。
