辺野古沖での抗議船転覆事故で亡くなられた武石知華さんのご両親が、10月17日から2泊3日の日程で沖縄を訪問されていた。
知事との面談や現場での献花については広く報道されていたが、今回、ご両親が投稿されたnoteによって、18日に船を運行していた「ヘリ基地反対協議会(ヘリ協)」と初めて面談を行ったことが明かとなった。
▼ご遺族によるnote記事 辺野古ボート転覆事故遺族メモ・10月の沖縄訪問 (下)
ご両親の深い悲しみや無念さに触れるたび、胸が締め付けられる思いになる。 しかし、今回のヘリ協との面談内容を読み進めるにつれ、溢れてきたのは悲しみ以上に「強い怒り」だ。
まったく進んでいない検証と「知らない」で済ませる姿勢
面談に参加したのは、ヘリ協側の共同代表2名と代理人弁護士2名。 ご遺族側はお父様と代理人弁護士1名。お母様は感情を抑えきれなくなる懸念から欠席されたとのことだが、noteに「欠席は賢明な判断だった」とあるのを見ると、どれほど強い憤りを抱えられているかが痛いほど伝わってくる。
会談の冒頭、ご遺族側からは「今回は謝罪ではなく、検証結果を聞く場である」という趣旨が伝えはじまったとのこと。
しかし、蓋を開けてみれば、検証はまったく進んでいないのが実態。 遺族側からの問いかけに対しても、「分からない」「知らない」。さらには「知らないから調べていない」といった無責任な実態が明らかになったとのことだ。
結局、不誠実な対応に痺れを切らしたご遺族側は、わずか1時間で質問を取りやめ、退席。
noteからも伺えるように、ヘリ協の姿勢は「形だけの謝罪をし、ほとぼりが冷めるのをじっと待っている」ようにしか見えない。人の命が失われている事故に対して、あまりにも不誠実な対応だ。
再開された反対運動と失われた自浄作用
事故の検証もろくに進んでいない中、現場ではすでに辺野古埋め立てへの反対運動が再開されている。
ヘリ協のメンバーが直接関与しているかは定かではないが、横のつながりが深い関連団体であることは間違いない。本来であれば、事故を起こした団体に対し「まずは徹底的な調査を行い、ご遺族に誠心誠意対応すべきだ」と助言するのが筋だろう。自浄作用が全く働かないまま運動を再開させる姿勢には疑問を抱かざるを得ない。
また、共に亡くなられた金井船長が所属していた日本基督教団佐敷教会も、どこか他人事のような対応を続けていると聞く。事故に関わった組織全体の当事者意識の欠如には落胆させられるだけだ。
ルール無視の反対運動に世間の冷ややかな目
現在、沖縄県では古謝知事となり、辺野古周辺に設置された違法テントの撤去に向けた議論が浮上している。もし撤去が実行されれば、反対派は県や知事に対して激しい批判を展開するだろう。
しかし、抗議活動の実態を見ると、違法船舶の使用、違法テントの設営、無許可での道路占有など、法を守らない行動が目立つ。また今回の痛ましい事故によって、そうした違法な実態が期せずして世間に広く知れ渡ることとなった。
基地や埋め立てに反対する意見を持つこと自体は自由だ。しかし、法令遵守すらできない運動に対して、新たに共感し賛同する人が増えことはない。むしろ離れていくばかりだろう。世間からは冷ややかな目で見られ、孤立していくだけだろう。
もし今後も反対運動を続けたいのであれば、今回の事故を猛省し、自らの違法行為を認めた上で、法に則った健全な活動へとシフトする絶好の機会だったはずだ。しかし、彼らはその重要性にすら気づいていないように見える。
私たちにできること:風化させず監視を続ける
ご両親はnoteの中で、次のように綴られています。
「自分たちで調査をし、問題を徹底的に洗い出し、社会に対して公表する。それがなされない限り、私たちは問い続ける。」
なぜ深い悲しみの中、遺族がこれだけの負担を背負う必要があるのだろうか。
ヘリ基地反対協議会が事故の原因を徹底的に調査・公表し、ご遺族が納得できる形で正式な謝罪を行うその日まで、私たちもこの問題を風化させず、厳しい目で監視し続けていく必要があるだろう。
