閉じる

ジャングリア沖縄、30億円の繋ぎ融資で高まる懸念 瀬戸際の経営状況を読み解く

スポンサーサイト

これまで私は、ジャングリア沖縄について何度か記事を書いてきた。ネット上の噂とは異なり、融資元は今も存在し、政府系の資金も入っている。そのため「すぐに経営が傾くことはない」というのが、従来の私の見立てだった。

しかし状況は変わった。137億円の赤字の報道、株主総会、そして30億円の追加融資の報道を受け、大手・地元メディアだけでなく、信頼度の高いYouTubeチャンネルやブログでも専門家がさまざまな分析を発信している。現時点では、憶測にはなるものの、それらを総合すると、非常に厳しい局面にあると見て間違いないだろう。

30億円は「延命資金」か

今回の繋ぎ融資30億円は、今後数か月分の最低限の運転資金を確保するためのものとみられる。裏を返せば、運営会社ジャパンエンターテイメント(以下JE)の手元資金はそれほど逼迫しているということだ。この30億円が尽きるまでに新たな出資者を見つけられなければ、経営が立ち行かなくなる可能性が高い。一部報道では、そのリミットは「年内」とされている。

スポンサーサイト

新たな出資者を得るための条件

各種報道や専門家の解説、経営難に陥った企業の一般的な対処法を踏まえると、年内に新たな大口出資者を確保することが最優先課題だ。そのためには、非上場ゆえにこれまで公表してこなかった財務情報を、既存の出資者や出資候補者に開示することが避けられないだろう。特に焦点となるのは、JEおよびジャパンエンターテイメントホールディングス(以下JEHD)と、株式会社刀(以下、刀)との間の金銭の流れである。

既存の出資者や融資銀行も、この点に強い疑念を抱いているという。非上場企業に公表義務はないものの、刀をめぐる疑問は現在、次々と噴出している。

スポンサーサイト

刀を中心とした出資の構造

刀はJEに110億円を出資している。ただしその内訳は、政府系ファンド(クールジャパン機構)が80億円、大和証券が30億円を刀に出資し、それを刀がJEに出資する形になっている(刀自身の資金も少額は含まれるとみられる)。

万が一JEやJEHDが破綻した場合、実際に痛みを負うのはクールジャパン機構と大和証券だ。しかもクールジャパン機構の80億円は税金であり、国会で追及される事態も考えられる。一方、刀は自社の負担を抑えた形でジャングリアを立ち上げている。経営上は賢明なスキームとも言えるが、出資者や銀行が大きな損失を被り、刀だけが無傷となれば、法的には問題がなくても強い批判を免れない。

さらに、「JUNGLIA」「JUNGLIA OKINAWA」の商標は刀が保有しており、JEが刀に使用料を支払っている可能性が高いとみられている。加えて、刀がコンサルティング料やデザイン・企画料を受け取っている可能性も指摘されている。

これらは法的には何ら問題のない取引であり、経営が順調であれば誰も追及しなかっただろう。グループ内で利益を循環させることは、どの企業でも普通に行われているからだ。しかし、出資者や銀行が資金をほとんど回収できていない状況で刀だけが利益を得ているとなれば、話は変わる。金の流れが公になり、その金額が常識を外れたものであれば、刀への風当たりは一層強まるだろう。

スポンサーサイト

問われる刀の責任

そもそもジャングリア沖縄は、刀が企画してオープンさせた施設である。開業から1年でこの状況に陥った以上、刀の責任は重い。新たに出資を検討する企業が、刀を経営から完全に外すことを条件に求めるのは自然な流れだ。一般的にも、こうした場合には親会社と子会社を切り離すのが通例のようである。

さらに刀は、過去に森岡氏の個人会社である森岡マーケティング研究所へ、毎年1億円の対価を支払っていたことがある。その実態が対価に見合うものだったのかは不透明で、外部から指摘を受けて支払いは停止された。ただし、別途、解約金として数億円が支払われたと報じられたこともあった。

こうした経緯から、刀と森岡氏に対する疑問は強まっており、新たな出資を募るなら、刀は経営から距離を置かざるを得ない可能性がある。また、JE自体がもともと刀のスタッフによって立ち上げられた会社であることから、JE上層部の退陣を求められる可能性もある。

(業界内の話として、JE立ち上げに関わったスタッフの一部がすでに退職していると聞いている。これが何を意味するのかは、読者の想像に委ねたい。)

スポンサーサイト

今後のシナリオと、個人的な懸念

数十億円規模の出資を複数の企業に求めるのか、大手一社から多額の出資を受けるのかは、現時点では不明だ。ただ、既存の出資者が追加出資をせず、銀行もこれ以上の融資に応じない状況であれば、実質的に大手による買収に近い形になる可能性がある。その場合、ジャングリア沖縄はこれまでとは大きく路線を変えたテーマパークになるかもしれない。

ここで、個人的に一点懸念していることがある。出資先が外資、とりわけ中国系企業になる場合、沖縄北部が中国人観光客向けの観光地になりかねないということだ。救いは、ジャングリアの土地自体がオリオンビールの所有であることで、同社が手放さない限り、一定の歯止めは保たれる。それでも、多額の公的資金が投入された施設がわずか1年で外資の手に渡るとなれば、悪夢と言うほかない。これだけは避けてもらいたい。

スポンサーサイト
URLをコピーしました!