沖縄本島北部に2025年にオープンした大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が、2027年1月から毎週月曜日を休業日とすることを発表した。
休業の理由については、これまで夜間に行っていた設備の点検や運営スタッフのトレーニングなどを休業日に実施し、サービスの向上につなげるためとしている。
なお、ゴールデンウィークや夏休みなどの繁忙期については、月曜日の休業を避ける方針とのことだ。
ジャングリアが何かを発表するたびに、SNSではさまざまな反応が出る。今回については、極端にネガティブな投稿が目立つというほどではないが、今回の「月曜日休業」をポジティブに受け止めている人は、あまり多くないように感じる。
では、なぜジャングリアは週1日の休業という判断をしたのか。
大型テーマパークの「休業」は基本的にはマイナス
まず、大型テーマパークに定休日を設けることは、顧客側から考えれば基本的にプラスとは言いにくい。
特にジャングリア沖縄は、沖縄県内の観光客だけでなく、本土や海外から訪れる旅行客もターゲットとしている。
旅行者の場合、沖縄旅行の日程は数日間に限られるケースも多く、その中でジャングリアを訪れようと考えていたのに、たまたま月曜日が休業日だったということになれば、旅行日程そのものを変更しなければならない可能性が出てくる。
また、沖縄旅行中に予定を決めず、
「今日はジャングリアにでも行ってみよう」
と考える観光客もいるだろう。
しかし、その日にジャングリアが休業していれば、当然ながら、その分の来場者を逃すこととなる。
沖縄県民にとっても
「平日の月曜日なら比較的空いていそうだから行ってみよう」
と考えていた人にとっては、月曜日が定休日になれば選択肢から外れる。
テーマパークとして考えれば、営業日を1日減らすことは、どうしてもマイナス要素になります。
それでも月曜日を休む理由
一方で、経営という視点から見ると、今回の判断はそれほど不思議ではない。
今年7月末に発表された年間入場者数は約100万人で「ジャングリア・スパ」も含まれてる。
これを単純に365日で割ると、1日あたり約2,700人。実際の来場者数は毎日均等ではない。オープン直後や夏休み、ゴールデンウィーク、週末などには多くの来場者が集中する一方、平日の閑散期には来場者が大きく減ることが考えられる。
特に閑散期の月曜日となれば、1日の来場者数が数百人程度になる可能性もある。
そう考えると、
「来場者が少ない月曜日に無理をして営業するより、休業日にして設備点検やスタッフ研修を行ったほうが効率的」
という判断は、経営的には十分理解できる。
夜間の点検や研修にもコストがかかる
これまで夜間に行っていた設備点検やスタッフのトレーニングも、当然ながらスタッフが働く以上、人件費が発生する。
営業時間終了後に作業を行えば、通常勤務を終えたスタッフの残業につながるケースも考えられる。
現在は、人手不足への対応だけでなく、スタッフの労働時間や働き方についても厳しく管理する必要がある時代だ。
「営業終了後にスタッフを残して点検や研修を行う」という運営方法を続けるよりも、閑散期の営業日を1日減らして、その日にまとめて作業を行う。
これは、スタッフの負担軽減やコスト削減という面でも合理的な方法と言えるだろう。
つまり、今回の月曜日休業は、**「お客さんが少ない日に営業するより、その日を施設のメンテナンスやスタッフ教育に充てたほうが、経営効率が良い」**という経営判断なのではないかと考える。
経営としては正しい。しかし、テーマパークとしては?
今回の判断を経営面だけで考えれば、私はそれほど間違った判断ではないと考える。
むしろ、閑散期に無理をして営業を続けることで人件費が膨らみ、スタッフにも負担がかかるのであれば、休業日を設けることには合理性がある。
しかし、テーマパークとしての顧客満足度を考えると、決してプラスとは言えないのも事実だ。
特にジャングリアは、沖縄県民が日常的に利用する施設というより、沖縄旅行の目的地のひとつとして訪れる人が多い施設。
「せっかく沖縄まで来たのに、月曜日でジャングリアが休みだった」というケースが増えれば、旅行者にとっては残念な体験となる。
また、「いつでも行ける」というテーマパークの安心感がなくなることも、長期的にはマイナスになる可能性があります。
ジャングリアが目指す次の段階
もちろん、これは現在の入場者数や経営状況を前提とした判断なのだろう。
今後、ジャングリアが沖縄観光の定番スポットとして定着していけば、状況は変わってくるはずだ。
来場者が安定して増え、月曜日でも十分な集客が見込めるようになれば、定休日を設ける必要性はなくなる。
そして将来的には、年中無休で営業できるだけの集客力と経営基盤を持ったテーマパークになることが理想だろう。
今回の月曜日休業は、ジャングリアにとって「後退」というより、まだ施設を安定運営していくための途中段階と考えるべきだろう。
オープンからまだ時間の経っていないジャングリア沖縄。
今後、来場者数がどのように推移し、施設が沖縄観光の中でどのような存在になっていくのか。
今回の月曜日休業が一時的な対応で終わるのか、それとも今後も続いていくのかも含めて、注目していきたいところだ。
関連記事
・沖縄タイムス「ジャングリア沖縄、来年1月から毎週月曜休園へ 設備点検やスタッフ研修のため」
・ジャングリア沖縄、1年目の入場者数は100万人 CEO「思うような数字に至らなかった」
